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モンスターファクトリー
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Monster Factory  『すべてのはじまり』

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キャロルに空を



人間の世界に初めて行ったときキャロルを森へ連れて行ったらすごく喜ぶだろうなぁと思っていました。
キャロルは自然が大好きだからです。
ある日ジョニーはキャロルを人間の世界に誘おうと家に行ってみました。しかしあいにくの留守。どこにいるのか、いろんなところを探しましたがやっぱりいません。
たまたま水たまりにリップルがいたのでキャロルの事を聞いてみました。
(リップルは黒いオタマジャクシの形のおしゃれ好きなモンスターです。)
「歩いていたら落とし穴があったらしくて落っこちたのよ。歩けないからって、シャーロットの家にいるの。」
リップルは水をびちゃびちゃしながら話すのでジョニーの服が少し濡れてしまいました。
しかし、濡れた服の事なんかどうでもいいくらいジョニーは焦っていました。
すぐにシャーロットの家に行き、キャロルの姿を探しました。
細い足には包帯が巻かれていてキャロルはとても怒っていました。
「落とし穴、掘ったでしょ?」
ジョニーは慌てていいました。
「違うんだよ!落とし穴じゃないんだよ!」
「なんでそういう事ばかりするの?!」
「違うんだよ。ケイトが土を掘ったら宝物が出てくるお話をしてくれたんだ。
だから、もしかしたらってあっちこっち掘ってみたんだよ。人間の世界には宝物が土から出てくるお話がたくさんあるんだよ!」
キャロルはあきれ顔です。
「なにが人間の世界だよ。くだらないことばかりしていると友達がいなくなっちゃうよ?」

キャロルはとても怒っていて、人間の世界に行ってみようなんて話はできそうにありません。
どうしよう、これじゃ話を聞いてもらえない。
「そうだ!それならケイトに会いに行こう!そうしたら本当だってだわかるから!」
とキャロルの手をひっぱりました。
「意味がわからないよ!なんでそうなるんだよ!」
キャロルは手を振りほどこうとしましたがジョニーは絶対にはなしません。
「やだ、絶対行くぞ!」
キャロルはジョニーの絶対はひどくしつこい事を思い出し、勘弁してほしいとシャーロットの方をみました。
「あら、いってらっしゃいよ。とってもいい所よ。足もそろそろ動かしたほうがいいんじゃない?」
赤ちゃんを抱きながらシャーロットはニコニコしています。
「シャーロットは行ったことがあるの?」
キャロルはびっくりしました。
しかたなく、キャロルはシャーロットの家を出ることにしました。
ジョニーは歩くのが遅いキャロルに合わせて、ゆっくりと洞窟へ向かいました。薄暗い洞窟の前についた時にはだいぶ時間がたっていてキャロルの足は
限界でした。ジョニーはだまって背中に乗れと合図してキャロルを背中にのせて洞窟の中に入っていきました。中に入ってみると洞窟は真っ暗で何も見えません。
キャロルは不安になり
「ぶつからないでよ?」
といいました。
「大丈夫だよ。俺にはここは暗くない。道もちゃんと見えてるよ。」
ジョニーは少し苦しそうに言いました。
「そうか、ジョニーは暗い所でも見えるんだっけ。」
自分を運んでまで見せたい世界というのはどんな所なのかキャロルは気になってきました。

長い間歩きました。もうジョニーもつらそうなのがわかったので、キャロルは背中から降りてジョニーの手をとり暗闇の中を歩くことにしました。
その時、地面の感触が変わったことに気づきました。
「そろそろだよ、ほら光が見えてきた。」
とジョニーが言いました。先には黄色い光が見えています。
歩いて歩いてやっとその光の中に入ってキャロルは驚きました。明るい光と緑と風、チチチチという音、キャロルの住んでいる世界よりすべてが色鮮やかです。
そして、地面がとても柔らかいのです。
「ほら!」
ジョニーが空を指さしています。
キャロルは空を見上げました。

「うわぁ」
大きな広い空は、モンスターの世界では見られない美しい色で白いふわふわしたものがゆっくりゆっくり動いています。
「人間の世界の空は透き通ってて綺麗なんだ!」
キャロルは「綺麗だなぁ…」と空を見上げたまま固まってしまいました。
「とりあえず工場に行こう。ケイトがいるといいんだけど。」
森を歩いて二人は工場に向かいました。
キャロルは工場の中に入ってその汚さにびっくり。
「ジョ、ジョニー、すごい所だね…。ここなんて埃が椅子に座ってる。」
二人はそばにあった椅子をみて笑いました。
「掃除したら綺麗になるんだよ!見違えるよ!こっちの部屋はもう綺麗なんだ。」
ジョニーは一番近くの部屋をあけて入っていきました。
テーブルとイス、以外、何もない部屋です。
「ああ、ケイトはもう帰ったみたいだ。」
ジョニーはテーブルを見ながら残念そうに言いました。
テーブルにはケイトが置いていったドーナツと紅茶があります。
「置いて行ってくれたんだ。」
ジョニーは椅子に座って箱を開けました。
「人間が置いていったの?」
キャロルも座って箱を覗きました。
「ああ、ドーナツだよ。ケイトが大好きなんだ。食べてみな。」
ジョニーはキャロルにドーナツを一つ渡しました。キャロルはすぐに一口食べ
「んーあの虫の味に似てるね。」と言いました。
「そう言われれば似てるな。」
二人は笑いながら一つ目のドーナツを平らげて、二つ目に手を伸ばしました。
「ケイトに合わせられなくてごめん。」
「いいよ。また来よう。」
その日は工場をキャロルに見せて、これからどうするかを話しながら工場の周りを歩き、家に帰りました。
そして数日後、キャロルが工場で働くことが決まったのです。