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ゾディアック 2

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「 はい・・ 」 私の概念は答えを要求され「 暖かいエネルギーに包まれるのを感じました 」と答えた。
概念は 無難な答えだ・・と納得した。それと同時に私の中で 何かが沈黙した。そしてじっとそれを見つめていた・・
ナアナも「 はい、とても暖かくて優しい光に包まれました 」と答えた。

メリエスは満足げに頷くと「 では、メッセージを聞いてみましょう 」とまた目を閉じて 私達の手を握り
「 あなたは守られています。 いつもどんな時も・・ 私のあなたへの愛を感じて下さい 」と答えた。

私とナアナは「 私達は常に守られているんだね! 」と喜んだ。
概念は、心の深い淵から静かにこちらを見つめている何かを 意識の外へ消し去っていった。

メリエスは最後に「 セッションの代金は1万五千円になります 」とにこやかに言うと
次のセッションの予約を聞いてきた。
私とナアナはまた予定を確認してから連絡しますと答えた。


概念は分からないを嫌う・・
きっと自分を解ってくれるだろう目に見える凄いらしい人が現れ、
ナアナと私は 訳の分からない不安から解放されたと安心した。
もう意識を脅かす見えないものは追いやった・・と

和やかな雰囲気の中 お菓子と紅茶を飲みながら、ふと部屋を見回すとハープが目に入った。
「 あ、これ今朝夢で見ました!ハープと長い黒髪・・ あれはメリエスさんの事だったんですね! 」私は興奮した。
「 ああ これはライアという楽器なのよ。ハープの小型版かしら、私を夢で見たなんて凄いわね。
私達は会うべくして出会ったって訳ね。今度女神島でコンサートをするから是非いらしてね 」と言った。

その時 蜂が窓から入って来て、ナアナと私の足元にブンブン纏わりついて来た。
「 何この蜂、ヤダ! 」「 ほんと変な蜂、刺されないように気を付けて! 」
ナアナと私は蜂を追い払おうとしたが 蜂はなかなか離れなかった。 暫くしてまた窓から飛んで行った。

「 ナアナ・・ 」私は言いかけ、何かを忘れている気がした。でも どうしても思い出せなかった・・




~ 12 ~



アセンデットは運ぶ 私達がする体験を
その体験から選ばせる 意識がする決断を
何を選ぼうが、意識は自由だ
その選択によって 次の扉がまた開いていく



帰りの車の中でナアナが言った
「 メリエスさんて神秘的な人だったね。見えない世界の事をもう解ってるみたい 」
「 そうだね、確かにシンクロしてた。私達に起こった事も解ってくれそうだね 」私は言った。

「 あそこにあったハープを、マリオンが朝夢で見たのも凄いよね!
女神島でやるコンサートにも行ってみる? 」ナアナが聞いた
「 海に浮かぶ女神島でハープを弾く・・あの夢の通りだ・・ 」私は呟くように言った
「 でも いきなり纏わりついて来たあの蜂は、危なかったね。一体何だったんだろう・・
花と間違えちゃったのかな 」ナアナが笑った。


信号で一台のバスが チカチカ!ウィンカーを点滅しながら 私の車の前に入って来た。
「 見て あのバス、天使が馬車に乗ってる絵が描いてあるよ。可愛い! 」ナアナが言った。
「 エンジェルバスだって・・ 天使が運んで行くんだね 」車体にペイントされた文字を読みながら 私が言うと
「 天使が運ぶバスの行き先なら きっと素晴らしい所だよね。 これも女神からのメッセージかな 」ナアナが言った。
バスのナンバープレートは66-99だった。

メリエスの家に行ってから、訳の解らない声は聞こえなくなった。
耳鳴りもボディの振動も感じない、沈黙の平穏な日々が続いていた。

ある日 サロンでミオナがオレンジ色の本を持って来て 私に見せてくれた。
「 マリオンさん、この本面白いですよ。誕生日からその人の数字が解るんです。マリオンさんも占ってみて下さい 」と言った
「 へー、数字で人が解るなんて面白いね 」私は算出表のページを開いて 自分の誕生日を計算してみた。
「 2964年11月13日・・ 27で、9だ 」私は9の解説を読んだ・・

高潔と智慧 

夜明け前の暗闇の中を ヒタヒタ・・独り歩く者がいる
彼が持つランプの灯りに 多くの人々が後に続くだろう
あなたは1人で行かねばならない

自分の心の深淵から 聞こえて来る声を聞いているだろうか?
誰が正しいかではなく 何が正しいかだ
自分の力を恐れず他人の為に使え
そうすれば 大いなる魂が、全ての人を通して輝いている事を思い出す


( ※ダン・ミルマン著 「魂の目的」より引用 )


「 凄い事が書いてあるね・・ いつも適当で高潔なんて程遠いけどね 」私は苦笑した
「 私は44で8でした。4が昔から好きだったんで嬉しかったです。8は力と豊かさでした 」ミオナが言った。
「 確かに、ミオナはいつもパワフルに動き回って店を豊かにしてるもんね 」私は言った

その時レジに残っていたレシートの 精算金額が4400円 カードポイントの数字も444を示しているのに気付いた。
「 ミオナ見て44だ。シンクロだね!最近シンクロする事が多くて面白いよ 」私が言うと

「 444て天使の数字らしいですよ 」本で調べながらミオナが言った。
「 天使は、ゴールを目指して忍耐強く着実に歩み続ける者に 安定した舞台を授けます。ですって、
4は安定とプロセスなんですね 」
「 へー、またシンクロだ!最近 天使が描かれたエンジェルバスてのを見たよ。じゃあ44のミオナは天使だね 」私は面白がって言った。
「 この本ちょっと貸してくれない? 」私が言うとミオナは快く「 返すのはいつでもいいですよ 」と言った。

知り合いを見ていくと・・ナアナは6で「 理想と繋げる 」コミュウは私と同じ9で「 高潔と智慧 」カヨは3の「 創造と表現力 」だった。
メリエスの家からの帰りにナアナと2人で見たエンジェルバスは、ナンバーが66-99だった。
ナアナの6と私の9・・数秘は面白いと思った。

着信が光り、ちょうどナアナからのメールが来た。
「 マリオン、今度 世界中から集まるスピリチャルな人達のコンベンションがあるから一緒に行ってみない?
メリエスさんみたいな人が沢山やって来るよ! 」とあった。
「 やっぱり 数秘6のナアナは繋ぐんだ 」私はワクワクした。

確かに今、エンジェルバスにナアナと乗っている気がした。



~ 13 ~


世界中からスピリチャルな人が集まるという スピコンの会場は、
私達が住んでいる街から100キロ程離れた小さな街で開催された。
ナアナの車で高速道路に乗って向かった。

助手席の窓から見える景色は、すっかり葉の落ちた木立の山並みが続き
高く青い空には、羽根のような形の長い筋雲が 幾つも平行して伸びていた。
高い所を走る高速道路は まるで空に向かって吸い込まれて行くような錯覚になる。

「 もうすっかり冬だね・・ 月食を見たのは8月28日だから、もう4ケ月になるんだね 」私は呟いた
「 本当あっとゆう間だったね。色んな事がありすぎて・・時間の感覚が分かんなくなっちゃたよ。
まるで浦島太郎になったみたい 」ナアナは笑いながら言った
作品名:ゾディアック 2 作家名:sakura