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DESTINY BREAKER 一章 5

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強く唇を噛むと一筋の血が零れ落ち沸騰していた気持ちを冷却していく。
影は合掌し、
「この地で息絶えし者よ。どうか安らかに眠らんことを・・・。」
そして『すまなかった』と心の中で唱えた。
影は閉じていた目を静かに開き頭上の広き虚空を見上げた。
「いったい・・・。」
どこにいるのだ。
ヤツ・・・否、奴等は今の自分より鼻が利く、奴等に先を越されたら。
影は風とともに駆けた。
影は直感する
《本来の目的》に危険が迫ろうとしている。
急がなければ。
繰り返してはならない。
「無事でいてくれ・・・姫。」
影は音もなく消えた。

「思ってたより遅くなっちゃたな・・・。」
具体的な時間を決めていた、というわけでもないが『このくらいの時間で帰れるだろう』と漠然と考えていた時刻より遅い時間に桜花は帰宅した。無論、原因は一緒に帰ることになった夏樹である。
『泊まりに行ってもいい?』
問題の発端は、この夏樹が放った一言であった。
毎度のことであるが夏樹はこと桜花に対して突拍子もないことをする。
別に桜花も嫌というわけではなく、泊まること自体にはどちらかというと賛成なのだが、こと『夏樹』だからこそ考えるべきことはたくさんある。
例えば夏樹の両親への連絡。このような発言をしたとき夏樹は自分の独断だけで決定する為両親に連絡しないというのが過去の経験が物語る。中学二年の冬休み、夏樹が『泊めて!』と言ってきたので快く迎えたところ、夏樹の両親から『あのう、夜分遅くに申し訳ありませんがウチの夏樹が何処にいそうか、ご存知ないでしょうか?』という連絡があり大いに焦った記憶がある。
というわけで、今回もその件について聞いてみたところ、
『大丈夫!娘はいつか巣立つものだもん!』
とかなんとかで、連絡していなかったことが判明した。
それに・・・・・・。
『ナツ、服はどうするの?』
『制服で大丈夫だよ〜。それか、桜花ちゃんの貸してくれたらうれしいな〜。桜花ちゃんの服があれば上着だけでパジャマになりそう。』
『・・・ハァ、まあそれはいいとして下着はどうするの?』
『・・・・・・キレイダヨ?』
片言かつ疑問系で答えてきた。
『ウチにはナツのサイズにぴったりの下着は置いてないよ?』
『そういえば、この前桜花ちゃんの家に泊まった時に置いていった(?)私の下着は?そうだ、あるはずだよ、うん。』
作品名:DESTINY BREAKER 一章 5 作家名:翡翠翠