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七ケ島 鏡一
七ケ島 鏡一
novelistID. 44756
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グランボルカ戦記 7

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 アレクシスは一呼吸置いて、二人の腕から自分の腕を抜くと二人の肩に手を回して自分のほうへと抱き寄せた。
「アリスもカズンもいないけど、僕には頼りになる妻が二人も居てくれるんだ。頑張らないとな。」
 アレクシスはそう言ってもっと強く二人を抱き寄せようとしたが、エドとクロエはアレクシスの腕から抜けだして、二人共そっぽを向いてしまった。
「・・・えっと・・・僕、また何か失敗した?」
「なんでそこでアリスが出てくるかなあ・・・。」
「いや、だって。アリスは頼りになるだろう?」
「・・・カズンよりも先に名前が出てきたわけは?」
「そこに深い意味はないってば!」
「どうだか。」
「どうでしょうね。」
「本当に深い意味はないんだってば。僕は別にアリスに対してはなんとも思っていない。僕にとってアリスはジゼルと同じくらい苦手というか、怖い存在なんだって。」
「あーあ。また他の女の名前だよ。」
「どうしてアレクはすぐに他の女の話をするんでしょうね。」
「ジゼルは血の繋がった姉だぞ!」
「・・・なーんて。」
「冗談ですよ。」
 そう言ってエドとクロエはアレクシスを押し倒すと、彼を挟みこむようにして両側から抱きしめた。
「・・・ねえ、アレク。」
「ん?」
「私たちは、ずっとアレクの側にいます。もしどちらかがいなくなっても、残った一人があなたを支えますから。」
「ずっと・・・私たちのアレクのままでいてね。」
「ああ・・・僕は僕のままで必ず二人を守るよ。」
 アレクシスはそう言って二人を抱き寄せ、三人の初夜は静かに更けていった。