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漢字一文字の旅  第三巻

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十四の四  【誦】



【誦】、(ズ、ショウ、とな-える、よ-む)と読む。
「愛誦」、「暗誦」の熟語があるが、【誦】を調べてみたが、字源は見つからなかった。

普段滅多に目にすることがない漢字だが、ここに誦文(ずもん)というものがある。
これはすべての仮名を重複させず、作られた文のこと。

その代表的なものが「いろは歌」。

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす

これはどういう意味があるのだろうか?
漢字を入れてみると、

色はにほへど 散りぬるを
我が世たれぞ 常ならむ
有為の奥山  今日越えて
浅き夢見じ  酔ひもせず  

これをさらに現代語に直すと、

彩りよい花は香り良く匂いますけど、結局は散ってしまいますよね。
我が人生も決して永遠じゃありません。
無常というこの世界にある深い山を今日も越えてますが……。
すべてが因縁によって存在するこの世界、浅はかな夢も見ないし、それに酔ったりもしません。
淡々とやって参ります、てなところですかな。

それにしても一文字も重複させることなく、うまく作られたものだ。

ということで、おっちょこちょいの筆者も挑戦。
現代誦文(ずもん)、「あいうえおの歌」を。

あつきとも そうやをかけろ
らいおんの ほまれにたちて ねむりなせ
ゆめこえくすしぬ へひわはさよふみる


漢字を入れると、

熱き友 草野を駆けろ
ライオンの 誉れに立ちて 眠り為せ
夢声奇しぬ 平和は小夜踏みる

これ、どうでっしゃろか?
やっぱ、あきまへんか。

ということで、【誦】は決して木偏の「桶」(OK)にあらず。