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Mission!! 第1話~第7話

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川面に反射した太陽光が、頂上にいた隊員たちの視力を奪った。そういった瞬間、手榴弾が投げ込まれる・・・・・、といっても本物ではない。小麦粉の白い粉をティッシュでまいた偽手榴弾が舞散り、二人とも粉をかぶって呆然としていた・・・・。そんな白煙の中にサラは現れ、二人に銃を突きつけた。
「お・・・お前は・・」
「ジロジロみるんじゃないよ。」やっとの思いで頂上に駆け上った同僚たちは、一斉に大喜びし、ガッツポーズをしてみせた。
「時間内に攻略したぜ!!サラ!!」そういって彼女を抱きしめると、サラは笑いもせず思いっきり彼を突き飛ばした。その様子を双眼鏡で見ていたベンが現れ、彼は黙って自分のBDU(戦闘作業服Battle Dress Uniform)を脱ぐと、それをサラの肩に羽織った。
「とりあえず・・服を着ろ。」

『確かにあの頃、お前の輝かしい記録を信じていなかったな・・ただ女っていうだけで・・。』
ベンは外人部隊を理由があって除隊したあと、フォイオンの宮内庁に雇われた。普段なら自分のような外国人に、王の側近を任せることはないのが普通だ。しかし外人部隊という場所は、雇われ兵士の集まり。金のいいほうへ雇われるのは当たり前。時として昔の戦友が、今は敵ということもありうる。
いわば、彼はフォイオンに雇われた雇用軍人だ。
彼は机の上にあった写真立てに目をやった。それはサラの家にもあったものと同じ写真。それを手に取り眺めた。

ふと、その隣にある紙面を見つめたベン 表情が一瞬にして変わっていった。
「マシュー・ロドリゲス・・・ジョルジュ・トウエイン・・・まさかこの二人・・・」
入国管理局からのリポートに記された二人の男の名前と写真をみて、愕然とするベン・・・。
「この男達は危険だ・・・」

アメリカ合衆国オハイオ州 自宅の机に足を投げ出し、彼女の目はベンと同じく、パソコン画面を注視していた。コンピューターを通じて流れてくるその音声は、フランスにいるホウィ・ラマルクの声だ。女性問題の多い男だが、情報屋としては1流だ。
「その情報は確か?ホウィ」
「間違いないね、マシューとジョルジュは3日前にフランスから出国してる。やつらのことだ・・何をしでかすかわからんぜ」
「そうね・・・」
「サラ、行くんだったら俺も行くぜ!シャルルで待ってる!」
シャルルというのはフランスの玄関口シャルルドゴール空港のことだ。
「心強いわ。ありがとう」
そういって電話が切れると、しばし呆然とパソコン画面を見つめていたサラだった。
翌日の早朝 少ない荷物をまとめて家を出る彼女の姿が見えた。
彼女の手はベンからもらった携帯を、握り締めていた。

作品名:Mission!! 第1話~第7話 作家名:Rachel