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Mission!! 第1話~第7話

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一瞬の沈黙が流れていく。フランツは国王にもベンにもその視線を合わせようとはせず、ただうつむいて、何かに怯えているようにも見えた。
「聞いてないぞ・・・」
「すみません・・・報告を・・・忘れていました・・・」
宮殿の玄関前で、突然起こったハプニング サラからの電話がなければ、ドライバーはまっすぐに変更されたレストランへ向かっていたことだろう・・・。
まだそこに心拍数をかなり超えたフランツの姿があった。まるでベンと対峙しているかのようだった。フランツをじっと見つめるベンの視線は、彼がポケットの中で必死に握っている何かに注目した。
『フランツは信用の置ける男だ・・・。なにか理由があるに違いない・・。あの時、サラがあの大男パブロを信用したように、ここでは彼をとがめることはしないでおこう・・。仲間・・・いや同僚が見ている。』 
「ではアンドレ王、空港に行きましょう。」ベンは体を翻してそういった。アンドレ王はドアが開かれた後部座席に乗り込むと、ベンは車の後方を回り、そこにいたフランツの肩に手をやると、アンドレ王と同じ車の助手席にその体をうずめた。
それと同時に警察車両に先導され、2台の黒塗りの車両は、宮殿を後にした。

助手席ではベンがシートベルトもせずに、胸元から携帯電話を取り出し電話をかけた。
「私だ。フランツの身体検査をしろ。見慣れない代物が出てきたら報告せよ。」
そういって電話を切ると、再びどこかに電話をかけだした。アンドレは後部座席でその様子に耳を傾け心配そうな視線を送っていた。
「失礼・・本日そちらでイタリア領事館からレストランの予約をしているものですが・・・」
静かな沈黙が流れた。そしてそのまま静かに電話を切った・・・・。
「ちょうどいいタイミングでサラが来てくれたもんだ・・・」
「ベン?」
「今、空港でのセキュリティをチェックさせています。それと今夜の大使との会食はやはりレオナードイタリーレストランだそうです。一名参加人員を増やしておきましょう。サラもいっしょに・・食事を楽しんでください。」そういうとアンドレは、嬉しそうに微笑んだ。

作品名:Mission!! 第1話~第7話 作家名:Rachel