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エイユウの話~冬~

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「・・・封印されるほど、やばいところなの?」
 言われてみればそうだ。導師の力をもって封印し、他の教室に比べ修理にも時間がかかったと言っていた。しかしその教室は入ってみれば内装はいたって普通で、特に時間がかかる部分も見受けられない。歴史的資料から言う学園反乱の舞台からは少し離れているような気もする。
 すると、アウリーは扉を開けながら言った。

「そうですよ。これから行くのは、危険度最大級の監獄ですから」


☆★☆

 私たちは様々な資料を読み漁って、魔物喰らいの呪いについて調べました。私は医療を中心に、彼は呪術を中心に、です。しかし、九十、百と調べてもちっともその情報は出てきませんでした。私は数百冊調べたところで、もう探すのを諦めてしまいました。
 しかし、彼は決して諦めませんでした。呪術にないのなら魔術に、魔術にないのなら古典文化にと、様々な分野で本を読み漁っていました。見ようによっては、取り憑かれたようにも見えたでしょう。
(中略)
 彼があったと教えてくれたのは、それから一ヵ月後でした。私は急いで図書室に走り、机に座って熱心に読み込む彼を見つけました。私は彼の隣に座り、その本を横から覗き込んで、題名を見ました。するとそれには。
「金色の刑罰集」と、書いてあったのです。それはもう、老婆が言っていた医学でも、魔法ですらありませんでした。
(「黄金の術師(ジャーム・エワ・トゥーロル)」第三章第一話より一部抜粋)

作品名:エイユウの話~冬~ 作家名:神田 諷