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ねとげ~たいむ

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 町に戻って来た私は賞金を受け取った。
『お疲れ様でした。報酬は2000ビアスです』
 ギルドのカウンターのお姉さんから報酬を受けると私達の所持金カウンターが増えた。
「う〜ん、やっと終わったぁ」
 腕を伸ばしながら私達はギルドを出て来た。
「大変だったけど楽しかった。また一緒に行きたいね」
 私がそう言った時だった。
「うん、いいねいいね、一緒に狩り行こ☆」
「あら? エミルってパーティ辞めるんじゃなかったっけ?」
「ああ、あれ? 辞めるの辞める」
 エミルは前に出るとクルリと反転、私達と顔を合わせた。
「考えてみたらさ〜、アタシがいなかったらこのパーティ、ダメダメじゃない? だから付き合ってあげるのよ」
「何よその理由、素直に一緒にいたいって言ったら?」
「昔の事じゃない、細かい事を言うとホントのにオバサンになっちゃうよ!」
「オバサンって言うな! アンタはいつもいつも……」
「だってオバサンじゃん、それが嫌なら妖怪グチグチ・ババァだ!」
「誰がババァだクソガキがぁッ!」
「ヒィィっ! 妖怪が怒った〜っ!」
「待てやコラァ―――ッ!」
 ダッシュで逃げたエミルをレミが追いかけて行った。
 私はと言うとセンリに抱きついていた。
 するとセンリは私の頭を撫でながら言って来た。
「大丈夫コロナ、2人はあれで良い」
「センリ?」
 するとセンリは右手の人差し指を向ける、
「古人曰く、喧嘩するほど中が良い」
「あっ」
 その言葉に私は納得した。
 エミルはただ人生経験が少ないだけだし、ルカは少しムキになりやすいだけ、
 お互いの短所を確認しあったからだからこそパーティはクエストをクリアする事が出来た。
 あのままだったら二度とエミルとはパーティが組めなかっただろう、
 でも今回の事でエミルは力を合わせる事の楽しさを知った訳だし、レミも少しだけ素直になれた。
 私も1人でやっても楽しいけど、大勢でやるからゲームは面白い、それこそがゲームだと言う事を……

 
   
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki