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ねとげ~たいむ

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クエスト5,マグマの友情



 季節は6月を迎えて梅雨になった。
 でも電脳世界には暦や天気など関係ない、今日も快晴だった。
 さらにショコラさん達のクエストで手に入れた星の涙のおかげで錬金所が使えるようになった。
 ちなみに錬金所は町はずれにある切りそろえた白い石がまるで燻製釜のようになったような建物に大きく『錬金工房』と書かれた看板が掛けられている。 
 ここでは手に入れたアイテムや倒したモンスターの体の一部(爪や鱗等)を使う事で装備を強力にする事が出来る。
 だけど私達には大した素材もお宝も無いので今回は素材集めの為のクエストに集中する事にした。
 今回受けたのは『素材回収、掘って探して狩りまくれ!』だった。
 このクエストは1時間と言う時間の中で山、海、森、草原、氷河、砂漠の6つのフィールドのいずれかを選択し、モンスターやアイテムなどを回収するクエストだった。

 私は1人で山のフィールドを歩いていた。
 山と言っても山岳と火山に分かれていて、私が選んだのは火山だった。
 真っ赤に燃える溶岩が流れる洞窟の中で私はモンスターと戦っていた。
「流星斬りっ!」
 私の一撃がモンスター達を切り裂いた。
 炎が背鰭の様に噴き出し、口からも紅蓮の炎を吐き出す火蜥蜴サラマンダー。
 赤黒い屈強な肉体に動物の腰巻、顔中髭と髪でモジャモジャでその隙間から眼光だけが輝いている亜人種マグマ原人、
 頭のてっぺんがロウソクの様に燃え、全身黒い羽毛に覆われて頭上から爆弾の卵を産み落として来るニトロ・バードなどが私の前に立ちふさがった。
「はぁ、終わった」
 私は剣を鞘に仕舞った。
 そして道具をセレクトすると現在手に入れた素材を見る。
「ニトロ・エッグが8つと火蜥蜴の鱗が12、火炎キノコとガソリン草…… もっと上に言ってみるか」
 私はコマンドを仕舞って先を急いだ。
 
 実は今回は私は1人でクエストを行っていた。
 本当ならみんなで同じフィールドで素材を集めようと言ったのだけれどエミルが……
『どうせならみんなで競争しようよ、誰が良い素材を集めるか勝負勝負!』
 と言って来た。
 センリもそれに同意し、レミも今回は同意見だった為に賛成した。
 確かにそっちの方が効率がいいので私も賛成する事にした。
 ソロ(個人)プレイなんて久しぶりだった。
 エミルは海、センリは砂漠、レミは氷河で素材を集めている、みんな自分の装備を整える為に頑張ってる事だろう、私も気合いを入れた。
「それにしても全然見つからないな……、もう少し先に行ってみよう」
 実は私には欲しい素材があった。
 私が持っている『ファイア・ダガー』を強化して『ファイア・ソード』にするにはある素材が必要だった。
 それはバーニング・ルビーだった。
 マグマより赤く、炎より熱い火山でのみ取れる大変珍しい鉱石だった。
 ビギナー・クラスではレア度の高さは指折りだった。
「この辺りでいいかな?」
 私は道具袋からつるはしを取りだした。
 目の前にある亀裂の入った私と同じくらいの岩を発見、それに向かってつるはしを振り下ろす。
 カツン! と言う音と供に岩が転がり落ちる。
 中から発見されたのは鉄鉱石やら拳骨石などだった。
「はずれか……」
 私はため息を零した。
 道具袋に入っている素材の数字が変わる。
「みんなどんなの手に入れられたかな?」
 みんなも属性付きの武器を狙ってるみたいだからレア素材を手に入れたいんだろうけど、そう簡単には手に入らない物だった。
「まぁ、みんな同じだよね……」
 ここはポジティブに行く事にした。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki