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ねとげ~たいむ

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クエスト1, オンライン・キングダム


 
 この私、宮沢茜は今年の春に私立風鈴高校に入学した1年生の15才、4月3日生まれの牡羊座のA型、スリーサイズはヒ・ミ・ツ(笑)、
 性格は友達から天然って言われるけど、基本は明るく素直な女の子、自分で言うのもなんだけど……
 成績はそれほど良いって訳では無いけど悪いと言う訳でも無い、スポーツもこれと言って得意なものは無い、基本的にどこにでもいる高校生の私なのだけど、そんな私でもハマっている物があった。
 
 それは今巷では人気オンラインゲーム『オンライン・キングダム』だった。
 ネットゲームと言ってもシステム自体は普通のRPGと同じ、レベルをあげて装備を整えてイベントをこなして行くと言う物だった。
 ちなみにイベントはギルドでの依頼(クエスト)として登録できる、

 ゲームの中の世界を私は歩いていた。
 もちろん私と言っても私の分身、アバターと言うべき存在だった。
 中世ヨーロッパのような綺麗に整った街中を立派な鎧に強そうな武器を装備したキャラクター達が私の横を通り過ぎた。
 彼らもこのゲームのユーザーで、見た目からしてかなりやりこんでる人達だった。
 私はこのゲームをやり始めて数日の私の装備はまだ最初の物だった。
 町のショウィンドに写る私の姿を見た。
 半袖の白いシャツの上からひざ丈10センチのノースリーブの上下がつながった青い復、腰に巻かれたベルトにはショートソードがぶら下がり、その上から赤いマントを羽織り、膝まであるブーツの右足首には予備装備のダガーが固定されていて、両手には黒い穴のあいたグローブに赤いツインテールの頭には白い鉢巻を巻いていた。
 これが私の今の姿、名前は『コロナ』だった。
「はぁ、そろそろ新しい剣が欲しいな……」
 私は剣を引き抜く、
 これはつい先日買ったばかりのロング・ソードだけど、私的にはもっとカッコイイ装備が欲しかった。
 このゲームはお金さえあれば強い武器が買えると言う訳ではない、プレイヤーは定められているランクで装備できる武器が違ってくる、ちなみに私はランク1、まだまだ装備できる物は限られてる、
「いけない、みんな待ってるんだった!」
 私は剣をしまって走り出した。

 私は今いる建物の突き当たりを右に曲がって真っすぐ行った十字路を左に曲がるとそこは大通りで大きな建物があった。
 白く青い屋根のお城みたいなその建物は私達がクエストを受けるギルドの集会所だった。
 色々なプレイヤーが出入りしている人達を見回すと3人の女の子達を発見した。
 右端には白いローブにその上から腰まであるマントをはおり、金のウェーブのかかった髪には十字架の描かれた四角く大きな帽子を被った女の子、
 中央には茶色の髪のショートヘアに首には赤いマフラー、膝の他家まである緑のワンピースに腰のベルトにはトンファーを差さした女の子がふくれっ面で階段に座り、
 左端には腰まである黒髪をうなじあたりで縛り、その上からベレー帽みたいな帽子を被り、紫の裾の長いコートみたいな上着に胸には緑のリボン、赤いミニスカートに黒いニーソックスと皮靴、先端に赤い水晶が取りつけられた杖を肩にかけた子が本を読んでいた。
 彼女達は私とパーティを組んでる僧侶レミ、武闘家のエミル、魔導士のセンリだった。
「ごめ〜ん、待った?」
 私はその子達に近付いた。
「遅っそーいっ! 何やってたのよ?」
 エミルが細い眉を吊り上げながら立ちあがった。
「アタシ達がどれだけ待ったと思ってんの? これ以上遅かったら先に行こうと思ってたんだからね」
「そう言うエミルも今来たばかりのはずだけど?」
「うっ!」
 レミが肩をすくめるとエミルは顔を強張らせた。
「大して待って無いよ、私達も今来たばかりだから」
 レミは言ってくれた。
「ぶーぶーっ! レミのエコひいき〜!」
「何か言った?」
 エミルの言葉にレミが目を細めて眉間に皺を寄せた。
「い、いえ、別に……」
 一瞬目の前に般若が現れたかと思った。
 レミは言葉を失って両肩をビクつかせた。私もだけど……
「とにかく全員そろったんだし、ギルドにはいるわよ、センリ!」
「……うん」
 センリは小さくうなづくと本を閉じた。
 私達はギルドの中に入って行った。
作品名:ねとげ~たいむ 作家名:kazuyuki