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コメディ・ラブ

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どういうこと



遠くで義信の声が聞こえる。

段々と声が大きくなってきた。

「晃さん、大変です!!」

俺は布団から飛び起きて、時計を見ると午前7時だった。

「……なんだよ。朝早くから」

俺は不機嫌ながらも部屋の戸をあけてやった。

戸の前に立っていた義信の顔色が明らかに悪かった。緊急事態に違いない。

「ロケが……中止に」

俺は前にドッキリカメラのおばけ登場にやられたときぐらいの大声を出してしまった。

「ロケが中止!!!」

俺の声が早朝で静まり返った旅館に響き渡った。

「そうなんです。優海さんのロケが、優海さんのロケが中止になって、優美さんだけ東京に帰るみたいです!」

義信が慌てふためきながらも、なんとか最後まで喋りきる。

「えっ。どうして、なんで?優海ちゃんだけ」

義信はただ黙って首を左右に振っている。

そこへ突然優海ちゃんが戸を勢いよくあけて入ってきた。

戸が義信に直撃する。

「晃さん、それ嘘なの!いや嘘ではないけど。嘘なの」

俺は何が起きたかわからず立ち尽くした。

そこへ突然牧子さんが戸を勢いよくあけて入ってきた。

戸がまたしても義信に直撃する。

「だからどういうことなの。優海の言うとおり東京帰れるようにしたじゃないの」

「違うの!優海が言ってたのはそういうことじゃないもん」

「もう!優海!一体何がしたいの?」

「優海は……ここにいたいの!東京になんて帰らない」

優海ちゃんは走って出て行った。

「優海!」

牧子さんが追いかける。

俺達は何を言っていいのかわからずお互いを見ると外から、鳥がうるさく鳴いている声が外から聞こえた。

「……何が何だかよくわからないけど、中止じゃないってことか?」

「多分、そうだと思います」

義信が首を45度傾けながら頷いた。

何だろうこの感覚……そうだ、あれだ。

小学生の夏休みに昼ドラを見てたときにも感じた、この疲労感。



<章=どういう>

雲ひとつない青空の下、小学校の校舎前には沢山のスタッフであふれていた。

大正時代に作られた歴史ある木造平屋建ての校舎の真横に、カメラやら照明機材やら現代的なものが沢山準備されている。

校舎前の畑に監督を無理やり引っ張って来て、かぼちゃちゃんの魅力の解説を一通りすませた。

「監督、絶対!俺のかぼちゃちゃん写るようにしてね!」

「わかった。晃くんわかったよ。」

監督がとうとう首を縦に振る。

俺のかぼちゃちゃん、映画デビュー決定だ!

両手でカメラワークを作りながら覗く。

かぼちゃちゃんと古い木造平屋作りの学校、そして俺、うーーん。最高の画になるな!

「晃!!」

「キャー」

「かっこいい」

子ども達が窓から手を振ってきた。

全く人気者はつらいよな。俺は手を振り返す。

「田舎の純朴な子ども達よ。イケメンの俺をしっかり見てろよ!」

よく見ると子ども達の隣に美香もいることに気が付いた。

本当参っちゃうな。俺は美香に向かって叫んだ。

「おい、美香!お前もイケメンの俺にみとれてんのか?」

間髪いれずにすぐに返事が返ってきた。

「何言ってんだよ。この勘違い野郎!さっさと仕事しろよ!」

美香は今日も元気みたいだ。

その時、優海ちゃんがいきなり俺の腕を掴む

「どうしたの?優海ちゃん?」

「さっきは、なんか迷惑かけちゃってごめんなさい」

「迷惑?あぁ朝のこと?全然いいよ。気にしないで!俺は女の人に迷惑かけられたなんて思ったことないからさ」

俺は決めポーズつきで答える。

「……優海、ごめんなさい。悪いこと考えてたの」

優海ちゃんはそう言うと涙をポロポロ流し始めた。

「な、なに。どうしたのいきなり?」

周りが騒然としてくる

「何、一体晃さんと優海ちゃんに何があったの?」

野次馬の声が聞こえてくる。

やばい、また週刊誌にかかれる。

俺は自分のことで頭がいっぱいだった。

ヤバイヤバイヤバい

「優海、晃さんと美香先生を引き離そうとして」

「……えっ、俺と美香を?どうして?」

「……だって晃さん、美香先生に毎日会いにいくし」

「いや、あれはあいつじゃなくて俺のかぼちゃちゃんい会ってるだけだよ。」

「……嘘。優海わかるもん。かぼちゃじゃなくて、いつも美香先生に会いにいってる」

「……何馬鹿なこと言ってるんだよ。美香って……あのよく見て。あいつだぞ」

俺は窓から覗いてる美香のほうを指差す

「優海ね、見て」

牧子さんが優海ちゃんの腕を掴んで強引に引っ張っていく。

「優海、ちょっとこっち来なさい」

「やっぱりあの二人」

「優海ちゃんもう捨てられたのかな」

野次馬がヒートアップしている声が遠くで聞こえる。

けれども俺は野次馬よりも優海ちゃんの言葉がショックだった。

「俺が……どうしてあんなやつを好きになるんだよ」

俺は誰にも聞こえないように呟いた。

作品名:コメディ・ラブ 作家名:sakurasakuko