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同じ場所には。。。~自分の居場所を求めて~

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これは既にエッセイでお話ししたことと内容がカブるかもしれません。

それをご理解の上、ご覧いただけたならと思います。

 私がこのサイトに来たのは忘れもしない今年の春でした。

 ちょうど一年前に18年間、所属していた同人誌が突如として終刊になりました。

その会は長崎を拠点とした会で、全国規模の大きな母体でした。同人会が公募の賞

を募集したりして、積極的に活動していて、同人誌というと、少人数で和気あいあいと

或いは、ひっそりと地味に活動しているというイメージしかなかった私には、少し驚き

でもありました。

 最初の単行本を出した27歳の時、出版とほぼ同時に入会したので、今から思えば本当

に長い間お世話になったものだと思います。

 会そのものが年に四度、新人賞を設けており、会員からだけでなく広く一般-会員外

の方からも受け付けているので、それが励みにもなりました。

 更に一年の終わりには年間の最優秀賞も選ばれる仕組みになっていました。

 昭和56年くらいが創刊だったと思いますので、丸々30年も続いた会です。

 もちろん、長崎在住の主催者の方とはお会いしたことはありませんが、

同人誌は営利目的の団体ではないので、そんなにも長い間、会員から集めるわずかな

会費だけで大きな母体を維持していくのは大変なことだったろうと思います。

 市販の本にも見劣りのしない立派な同人誌がわずかなあれだけの会費で作れたとは

到底思えませんし、長い間には、主催者の方の持ち出しもあっての存続だったと

想像できます。

 もちろん、これは私の勝手な想像にすぎず、主催者の方が実際にどうなさっていたの

かは判りません。

 私が入会してからだけでも長い年月が経っているのだから、いつかは終刊ーということ

も十分あり得ると心のどこかでは覚悟していました。現役で仕事を持っている方かどう

かは判りませんけれど、とりあえず退職されてから同人誌を立ち上げたとしたら、

終刊の頃には、もうかなりのご高齢になられていたはずです。

 それでも同人誌の編集・発行、更に年に四度の新人賞や年間賞の発表、マスコミや

出版社への送本などを意欲的にこなされていたのには本当に頭が下がります。

 この同人会がしばらく休刊するとの通知が舞い込んだのは、今から二年近く前のこと。

ちょうど、その前年の暮れに、年間賞をいただいた記念に東京の写真館で入賞の記念撮影

を済ませて帰郷した直後の出来事でした。

 それはもう、そのときの衝撃は言葉には言い尽くせないものがありました。

 まさに同人会あっての私だったからです。

 精進の場、発表の場。アマチュア作家としての私のよりどころのすべてでした。

 でも、主催者の方は、そのときはまだ一年後をめどに再刊される覚悟で、

作品募集もそのまま受けつけると文面には記されていました。

 それが私のせめてもの救いでした。

 一年後には、また再刊されるー、だから、私もその間、主催者の方にもっと向上

した作品を読んでいただけるように精進しようと思い直し、自分を奮い立たせました。

どうやら、主催者の方はご病気のようで、一年間は療養に専念して復帰をめざす

とのことのようでした。

 しかし、事態は急転直下、変わりました。二ヶ月後、再び通知があり、予想外に

病状が悪化していることが判明したので、再刊のめどが立たなくなってしまった

と記されていました。

 その瞬間、私は頭を何かで殴打されたような衝撃を受けました。

 これは誇張でも何でもありません。再刊をすべての支えにしてきた私にとって、

それは最後通告にも思えました。主催者の方は、途中て゛このようなことになって

しまい大変申し訳ないと謝っておられましたが、誰がそれを責められるでしょうか。

 大病にかかられているのに、最後まで再刊の夢を持たれ努力されていたにも拘わらず、

病気が重いと判った-、いちばんの無念を感じていられたのは恐らく主宰者だったに

違いないのです。

 そうして、同人会は30年をもって幕を閉じました。

 二十代から共に歩んできた同人会の終わりは、私の心にも大きな影響を与えました。

まるで自分の立っている地面が足下から音を立てて崩れ落ちてなくなった、そんな感じ

でした。

 これから自分が何をよりどころにしていけば良いのかすら、判りませんでした。

 私という個人の人生にとっては、他人はもしかしたら取るに足らないことと

思われるかもしれません。でも、アマチュアでありながらも、書くということが

とても大切な時間だと思っている私には、自分の存続すら危うくなると思うほどの

重大な出来事でした。

 これは、書き手としての私の一つの大きな転換期ともなりました。

 支えにしてきたものを失って、どうすれば良いのか。その想いは常に離れません

でした。もちろん、たいがいの方は同人誌には所属せず、一人で書いていらっしゃるもの

だし、必ず同人会に入らなければならないというわけではありません。

しかし、若くて才能豊かで、1作初めて書いた小説が文学賞を取ってデビュー。。

そういう人ならともかく、アマチュアで地味にやっている私には、どこかよりところが

欲しいという気持ちがありました。

 もちろん、甘えといえば、甘えかもしれません。

 また、別の面でも大きな問題がありました。これはよりどころよりも、もっと深刻な

もので、つまりは作品の発表場所がなくなってしまったという事実でした。

 これは書き手にとっては結構、大変です。

 幾ら書くことが好きでも、作品は読んで貰って初めて生命を得るという部分が大きい

のですから、その読み手がいなくなったのでは、書く意味もまた半減してしまいます。

 その両方の意味で、私はやむなく次の身の落ち着き先を探すことになりました。

 今まで同人会に所属しいたので、やはり、似たような同人誌があればと思いました。

 まあ、同人会が終刊になって一年くらいは焦らず慌てず、のんびりと気ままに書き続けて

いけば良いと自分でも考えていましたが、流石に一年が終わる頃には、少しばかり焦り

も出てきました。

 そして、そろそろと同人誌を探し始めました。ちょうどその頃、ネットでブログを始め

ており、今まで無縁であったネットの世界に足を踏み入れていた時期でもありました。

 まずネットで検索をかけてみたら、同人誌の名前がそれこそきら星のごとく出てきます。

 私の希望はもちろん、最初に在会していたようなところ。数人で寄り集まって、互いの

批評ばかりをやっているようなところではなく、比較的大らかに自由に作品を発表でき、更に

会が公募の賞などを設けているところを探しました。

 ですが、そんなところは今日日、一つもありませんでした。

 そこで、私はすぐに壁に当たりました。今まで自分がどれだけ恵まれた環境にいたのか

思い知った気分でした。それでも、比較的、条件というか希望に合いそうな大きな会を数個

ピックアップすることから始め、それぞれの主宰者に会の要項・条件や活動内容などに