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わて犯人

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第三話 ケイティ死す


「うぉおおおおおおおっ!何か突然1人で捜査したくなったぜ!お前らとちんたら捜査なんてやってられるか!俺は単独でダイソンさんが買い物をしたスーパーへ向かうぜ!それから俺はこの事件の犯人を捕まえたら引退するぞ!じゃあな!」
ケイティは急にそう叫ぶと館から飛び出して行った。
「(なんだろう・・・すごく嫌な予感がする。警部、どうかご無事で。)」


十分後


「プルルルルルルルルル・・・」
「ん?電話か。もしもしマインだ。何っ!?それは本当か!・・・そうか、わかった。じゃあな。」
電話を切ったマインの顔は見てわかるほどに青ざめていた。
「どうしたんですか?血相変えて。」
「悪い知らせがある。ケイティのことだ。」
「・・・警部がどうかしたんですか?」
トムは嫌な酸っぱさが喉の奥からせりあがってくるのを感じた。
「ケイティが、トラックに轢かれそうになった小さな女の子を助けようとして―」
「まさか・・・」
ずっと胸の奥でくすぶっていた不安が今にも弾け飛びそうだった。
「ああ・・・逮捕されたよ。変質者と間違えられてな。」
「やっぱり・・・あの人キモいから・・・。」
「まあいいじゃんあんなクズ。気にせず捜査続行だ。とりあえずダイソンさんに話を聞いてみようか。」
「そうですね。ダイソンさんは今どちらに?」

その時だった。

「うわぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

「なんだ今の悲鳴は!ジョン、場所を特定できるか。」
「探知完了。97%の確率でトイレからだ。」
「急ぎましょう!」
トム達はトイレへと走った。

トイレのドアを開けると、恐るべき光景が広がっていた。
「ダ、ダイソンさん!!」
「た、助けてくれぇ!」
なんとダイソンは洋式トイレの中でうんこと共に流されそうになっていたのだ。
「大変だ!ジョン、急いで救助だ!」
「ジョンさんお願いします!」
「拒否する。汚い。」
「人命がかかってるんですよ!」
「やだぽん」

「う、うわぁあああああああああああああああああああ!!!!」
断末魔の悲鳴とうんこと共にダイソンは下水へと吸い込まれていった。

「クソッ!誰があんなひどいことを!許せねえ!」
全てを飲み込んだトイレは、まるで何事もなかったかのように、静かに、そこに鎮座しているのだった・・
作品名:わて犯人 作家名:熊田熊子