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超短編小説  108物語集(継続中)

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 これは作り話? それとも実話?

「ただいまよりS−1グランプリを開催します」
 地下室のステージに立つ仕立屋銀次、明治のスリの大親分が宣言した。
 会場には歴代のスリ名人たちが一堂に会している。

「みんな、普段の腕前を発揮して、競おうぜ!」
 ケッパーの梅ジイが気合いを入れる。ケッはケツ、尻のこと。またパーは財布の隠語。その名前通り、ケッパーの梅ジイはアメ横で後ろポケットから財布を抜き盗ることを得意技としてきた。81歳の大御所だ。

 これを受けてか、スリ歴60年、デパ地下専門の通称・デパ地下のさと婆が「あんさん、あんまり張り切らさんな、もう歳なんだから」と諭す。梅ジイとは半世紀以上のスリ仲間、そのためか表情は心配げだ。

 これに地下鉄のマサが「年寄りは横で見てらっしゃい!」と、まことに無礼千万。

「プラットホームで寝てる人から、サイフを失敬するだけだろ、ほざくんじゃないよ」
「そうよ、姉さん、テクニックもないくせに、マサは生意気なんだよね」
 スリ歴60年の駒崎姉妹が目をつり上げた。この二人、デビューはこまどり姉妹さんと同じ頃。だが最近、梅田の*急デパートで捕まって、しばらく休業していた。