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母から私 私から娘へと ~悲しみの連鎖~ (続)

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 父が逝って六年後、ようやく菜緒にも人生の春が訪れた。辛い時期が長かった菜緒だが、二十八歳の年にようやく伴侶となる人と出会い、今では一人の子の母となった。

 ――その日、菜緒は苦しんだ末に帝王切開で男児を産んだ。
 菜緒のお産の日、私は病院へ行こうとしたが、菜緒は大丈夫だから来なくていいと言った。そう言われると私はそれ以上何も言えなくて、結局仕事をしながら「無事誕生」の連絡を待った。
 待っている間、菜緒を産んだ時に感じた不安を思い出した。――だからこそ傍にいてやりたかったのだけど……。本当に強い娘になったなあ、と溜め息が出た。
 私にとっての初孫は、色白で綺麗な顔をした可愛い男の子だった。ただ残念(私にとって)なことにパパ似のようだった。その子が間もなく一歳の誕生日を迎える。早いものだ。菜緒もすっかり母親らしくなり、我が子が可愛くて仕方がないらしい。それは取りも直さず私にとっても嬉しいことである。

 ――あの日からすでに八年目を迎えようとしているが、今でも父が逝った日のこと、病院で一緒に過ごした時のことなど、思い出すと涙が止まらなくなってしまう。どんな時も私のことををいつもそっと見守ってくれた父。同じように私は菜緒を見守ってやれているのだろうか? ――つい自問自答してしまう。しかしその答えは私が出すものではなく、菜緒が出すことなのだろう。それが私の希望する形のものであってくれれば良いのだが……。