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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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うこん桜の香り

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すでに結婚式を済ませ、籍も入れた後である。とても離婚など言い出せない。
子供の出来ない自分に百合に子供が出来たのなら、それは百合が浮気したことに間違いないのだ。
稔は百合を愛していた。結婚式の前の浮気なら許そうと考えた。これから上手くやって行けばいいのだと自分に言い聞かせた。
生まれた子供は女の子であった。稔に似ていると言われると、その子が本当の自分の子のように思えてきた。可愛い。
どうせこのまま暮らしていくのであれば、親子3人仲良く暮らそうと思い始めた。
波子は中学2年まで稔と風呂に入った。
百合が夜勤のときは必ず入った。
百合がいる時には百合と入った。
「ガス代勿体ないよね」
無邪気に言うのである。
作品名:うこん桜の香り 作家名:吉葉ひろし