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最後の魔法使い 第五章 『再会』

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ジュダは首を縦に振って、『無警戒の箱』をアレンに手渡した。「私はちょっと用事があるから出かけるよ。使い終わったら、必ず私の書斎の棚にしまってくれ。棚のかぎは机の引き出しの中にある。」
「わかりました。」アレンはうなずいた。
ジュダはアレンの肩を軽くたたくと、家の方に消えて行った。
まじまじと近くで見ると、箱は茶色く古びていて、とても強い力を持っているようには見えない代物だった。だから余計に、その箱が心の奥まで変えてしまえるなんて、アレンは何とも言えない恐怖を感じた。再び円の中に足を運んだ。相変わらず日が差していてむせるように暑かったが、アレンは、守られている―そんな感じがしていた。
とりあえず、アレンは箱を閉じたまま地面に置いた。眼を閉じ、先ほど魔法を使った時の感覚を思い出そうとした。波に押しつぶされるような、あるいは内側から爆発してしまいそうな、あの感覚だ。ジュダは『心の奥の変化』だと言っていた。『警戒』を解いてしまった瞬間が、彼の言う『変化』なら…あの感覚はまさにその瞬間だったのかもしれない。