小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

最後の魔法使い 第五章 『再会』

INDEX|1ページ/10ページ|

次のページ
 
第五章 『再会』 

 棒きれが燃え尽きると、手の中の炎はなくなったが、アレンの指先はまだ物足りなさそうにうずいていた。アレンは足元に目をやった。そこに散らばっている灰は紛れもなく、アレンが火の魔法を使ったという証拠だった。
ジュダは円の外側で、満足げにほほ笑んでいた。
「まずは第一段階完了だ。今の感覚をよく覚えておくんだよ。」そう言うと、ジュダは『無警戒の箱』をぱたりと閉じた。
「あの…何が起きたのかよくわからないんですけど…」ふらふらと円の中から出てくると、アレンは尋ねた。
「君は警戒を解いてしまったんだよ…はっきりとは自分でわからないだろうけど、君が今棒きれを燃やしたということは、確かに心の奥で変化があった証拠だ。私の憶測は当たったみたいだね。」
「はぁ…」
「もう箱は閉じたから、また君は『警戒』をしているかもしれない。まだ箱無しでは魔法は使えないだろう。また練習してみるかい?」
その質問に同意するかのように、アレンの指先がまたうずいた。自分の体が自分のものでなくなっていく気分だった。18年間封印していたもう一つの自分が、箱をこじ開けて、ロウアーであった自分の体を乗っ取ろうとしている―そんな気分だった。
「もうちょっとだけやらせてください。」アレンが答えた。