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ぼくのゆめ

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 そして次の日曜日、パパはやくそく通りママとぼくとを新宿につれて行ってくれました。
 はじめて行った新宿の町は、でっかいビルがいっぱいたっていて、ぼくはびっくりしてキョロキョロと上ばかり見ていました。
 そんなぼくを見てパパは、
「まったく、お前はおのぼりさんだなぁ」とわらい、その大きな手でぼくの頭をぐりぐりとなでまわしました。
 ママはにこにことほほえんでいました。

 ぼくとママがパパにつれられて行ったのは、「とんかつ伊勢」というおみせでした。
 まわりのビルにも負けないくらい高いビルの29かいにあるそのみせは、日曜のお昼時だったせいもあるのかもしれないけど、待っている人の行列ができていました。
 しばらく待って、やっとせきに着いて、それから注文です。
 ぼくは、特ひれかつ定食、1,470円。
 ママは色々食べたいからと言って、伊勢フライ定食、1,470円。
 パパはちょっとリッチにカモも食べたいからと言って、伊勢御前、1,575円を注文しました。
 間もなくとどいたりょう理を見てびっくり!
 ママの作るとんかつの数倍もおいしそうだったんです。
 さっそくぼくはパクつきました。
「おいしいー!」
 一口食べてぼくがそう言うと、パパも、
「うん、うわさ通りで本当にうまいなぁ」と言い、ママは口がいっぱいでものが言えなかったみたいで、しきりとうんうんとうなづいていました。
 ぼくはそれを食べながら決心しました。
「パパ、ママ、世の中にはこんなにおいしいとんかつがあるんだね。ぼく、これに負けないくらいおいしいとんかつを作って、パパとママに食べさせてあげたいなぁ」
「へえー、おまえがとんかつを? ということは、りょう理人になるんだな?」
「うん、りょう理人になるよ!」
「まあ、それはたのしみだわ。じゃあ、明日からでもさっそくしゅ行しなくちゃね!」
「ん? しゅ行って?」
「そうねぇ、まずはとんかつにつき物のキャベツの千切りの練習からかしら?」
「キャベツの千切りかぁ……。うん、ぼくがんばってしゅ行するよ!」
「おっ! よぉーし、じゃあパパもおうえんするからなっ」
「うん!」

作品名:ぼくのゆめ 作家名:ゆうか♪