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なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ!

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「見回りだ。コトハが仕事を見たいというから、連れているだけだよ」
 昭人の言葉に、司佐が笑う。
「おまえを信用してるよ。見周りはほどほどにして、早く寝ろよ」
「ああ。司佐も」
「うん。俺ももう寝る。おやすみ」
「おやすみなさい」
 司佐を見送り、二人はまた歩き始める。
「そろそろ中へ入ろう。今日の見回りは終了」
 いつもは屋敷を一周するのだが、今日は半周だけで止めて、昭人はそう言った。司佐がああいったこともあるし、これ以上二人きりでは、何を話せばいいのかわからなかったこともある。
「はい」
 コトハは素直に頷き、昭人に従う。
 その時、地面に何かが落ち、昭人はそれを拾った。そこには、コトハが首から下げているペンダントがある。
「コトハ。これ……」
 一度見せてもらったペンダントには、コトハの母親の写真が入っている、宝物だと言っていた。
「あ! どうして? 切れたことなんかなかったのに……」
 コトハはそれを受け取ると、心配そうに見つめる。
「うーん。少しずれてるだけだから、ペンチか何かで止めれば直るよ」
「はい。部屋に戻ったら直してみます」
「宝物だもんな」
「はい。唯一持ってる、お母さんの写真ですから」
 屈託のないコトハの笑顔に、なぜか昭人は暗くなる。
「お母さん、か……」
「昭人?」
「いや……早く中へ。寒くなってきたな」
「はい」
 その時、突風が吹いて、コトハのメイド服のスカートがめくれた。
「キャー!」
「……」
「み、見た?」
 真っ赤になって、コトハが昭人を見つめる。
「今度は花柄……」
「もう、昭人!」
 昭人は笑って、屋敷の中へと走り込む。
 コトハのことは、まだ子供にしか見えなかったが、確実に大切な存在に変わっているのを感じていた。