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漢字一文字の旅  二巻  第一章より

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二の四  【姫】


【姫】、右の「臣」は乳房を表す。
それが「女」と組み合わさって、成人した女性の意味となる。
そして、時を経て、高貴な人の娘のこととなる。

この【姫】の反義語が『彦』。
そして、七月七日は七夕。

織姫は天帝の機織り上手な娘。
また夏彦も働き者だった。 
二人は帝に結婚が認められ夫婦となる。 

しかし、新婚生活が楽し過ぎたのだろう、織姫は機を織らなくなった。
天帝はこれに怒って、天の川を隔てて二人を引き離してしまう。 
ただし年に一度だけ、七月七日に会うことを許した。

だが雨が降ると天の川の水かさが増し、二人は川を渡れず、逢うことができない。 

七月七日、星天夜になるかどうか、過去の統計からすると確率は約2割。
今年は辛うじて雲のようだ。
七月七日の雨、それは夏彦の無念の涙、催涙雨(さいるいう)という。
それが降らなければよいが。

さてさて、天文学でいけば・・・織姫星が「こと座」のベガ。
そして天の川を挟んでの夏彦星、それは「わし座」のアルタイルだ。

しかし、夏の夜空にはもう一つの煌(きら)めく星がある。
それは「はくちょう座」のデネブ。 

これら三つを結んだ形、それは「夏の大三角形」(Summer Triangle)と呼ばれている。

位置としては、織姫の夫の彦星は・・・天の川の向こう側にいる。
だがデネブは、織姫側の川岸に住んでいる。
いわゆる微妙、いやちょっと危険な三角形なのだ。

言ってみれば、
織姫はたとえ雨が降っても、天の川の増水に関わらず・・・
そう、デネブと一緒にいられる。

で、何かが起こりそう。
と、現代風な【姫】伝説が生まれてきそう・・・かな?