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漢字一文字の旅  二巻  第一章より

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二の三  【雷】


【雷】、雨に雷鳴の重なり連なる様を表した漢字だとか。

そして、日本神話では【雷】は神様の一つ。 
その雷鳴を・・・「神鳴り」(かみなり)と呼んでたらしい。 

六月から七月に、毎日雨がシトシトと降り続く。
だが終わりとなると、「梅雨中の雷は晴れ近し」と言われる。

梅雨前線が北上し、南の高気圧が張り出してくる頃、熱雷が発生する。 
雷が鳴り、そして晴れ上がり、梅雨明けとなるのだ。

しかし、そんな【雷】、時としてゴロゴロドーンと落ちる。 
恐ろしいものだ。

「くわばら、くわばら」
昔からこんな呪文を唱えると、落雷除けに良いと言われてきた。

平安時代、藤原道真(ふじわらみちざね)は流刑された。 
そして、その恨みをはらすために道真は雷神となり、宮中に幾度も雷を落としたと言われている。

だがこんな呪われた状態にあっても、「桑原」と言う道真の土地だけは落ちなかった。
それ以来のことだ。
「くわばら、くわばら」と、呪文としてその地名が唱えられてきたとか。

「地震・雷・火事・オヤジ」
昔からこれらが世の中の怖いもの。

そして現代は「オヤジ」が格落ちし、「地震・雷・火事・原発」だとか。
だが【雷】は、今もっても堂々の上位ランキングなのだ。

いずれにしても、そろそろ雷が鳴る時節。
今宵も就寝前に呪文を唱えておこう。

「くわばら、くわばら」と。