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おデブちゃんの肥満外来体験記

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卒業



ダイエットには家族の協力が不可欠です。
私に肥満外来へ行くよう勧めた母は、もちろん協力してくれました。
お好み焼きにキャベツをたくさん放り込む等、豪快な方法でしたが(汗)

「お母さん、またタンパク質が多いって言われた」
「多い? どこが?」
「さあ……」
当時の私は酒は二週に一回、卵は三日に一回、チーズは毎日食べてましたが
お菓子は200kcal以内ときちんとした生活を送っていました。
タンパク質が多いとはよく言われた言葉で、栄養士の渡辺さん曰く、
日本人の食事に総じて言えることなのだそうです。しかし
だからといって仕方がないよとは言われませんでしたが。
体重も順調に一ヶ月に二キロ減っていきました。
5キロ痩せたら母がステーキを食べさせてくれたのも大きいです。
しかし!
肥満外来に通って5ヶ月目、10キロ痩せたとき、奴はやってきました。

停滞期という魔物が。

「停滞期というのは、正しいダイエットをしていれば必ずやってくる
ものなんです」と渡辺さんは言いました。
「少々タンパク質は多いですが、食事もバランス良く取れていますし
食事はこのままで行きましょう。くれぐれも焦らないように。
何かしたいのなら、運動を増やすと良いかも知れませんね」

栄養士の渡辺さんもカウンセリングの中嶋さんも何度も言いました。
「焦らないように」
しかし3ヶ月経っても体重は一向に減らなかったのです。

私もイライラしましたが、母はもっと苛ついていたようで
何故体重が減らないのか、今頃もっと痩せていてもいいはずなのに、
肥満外来なんて行くだけ無駄だ------そう口に出すようになりました。
(そんなことを言ったって、私だって頑張っているんだ。なのに
減らないのだからしょうがないだろう。私のせいじゃない)
そう思っても、病気の母と喧嘩する訳にもいきません。
そのストレスが重なり、私は再び酒に手を出してしまうのです。


半年が経過したとき、肥満外来の卒業証書をもらいました。
半年かかって、痩せたのは計10キロ。まずまずです。
「スポーツ指導にはいつでもいらしてくださいね♪」
受付のお姉さんがにこやかに言います。
私は「はい」と言いジムを振り返ります。思えばここに来たとき、
私はダイエットの知識もたいしてない、まっさらの状態でした。
それが知恵を付け、10キロも痩せ、こうして卒業証書を手にしている------

感慨深いものがありました……。