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 後に残されたサイモンは自分のセイヴァー・アームズを構えた。
「さてと、準備はいいな」
「ま、待ってください!」
 恵がサイモンを止めた。
「何だ?」
「あ、いえ、その……」
 恵は口ごもった。
 思わず止めてしまったがどうして止めてしまったのかは分からない。
 だが理屈では言い表せない感情が恵の中に存在していた。
 恵の心を分かっていたサイモンは微笑しながら言った。
「安心しなよ、ゼルベリオスにゃ死罪なんてもんはねぇ…… それでもいつ会えるか分からねぇから、今の内に言いたい事言っときな、あんま時間はねぇけどな」
「はい、ありがとうございます」
 恵はサイモンに頭を下げた。
 そしてレンの顔を見ると今できる精いっぱいの笑顔を作った。
「罪を終えたら必ず帰って来てね、ここが…… 地球が貴方の故郷だから」
 故郷……
 それは長らく忘れていた言葉だった。
 家族を喪い、それ以来とっくの昔に枯れ果てたはずの涙が再び瞳から溢れだした。
「俺は…… 自分の故郷を滅ぼそうとしたのか……」
 レンは自分のして来た事を後悔した。
 もう少し早く地球の存在を知っていれば、もう少し早く恵達と会っていれば自分の運命は変わっていたのかもしれない。
 すると恵が首を横に振った。
「もう良いのよ…… 帰って来たら、一緒に生きましょう、妹さんの分まで」
「ああ」
 人の優しさに振れ、心の闇の晴れたレンの心は清々しい気持ちに溢れかえっていた。
「それじゃ、もういいな」
 サイモンはセイヴァー・アームズの銃口をレンに向けた。
 そして恵は最後に一言……
「行ってらっしゃい」
 その言葉にレンは静かに、だが喜びに満ちた笑みで返した。