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私たち美少女は!

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私が住んでいる世界とは



 翌日、担任の先生から、この女学院の目的を聞かされた。

「みなさん。おはようございます」
「おはようございます」
「今日から、この女学院の現代史を担当する南と申します。よろしくお願いします」
 
 
 現代史の南先生はリモコンを操作すると教室の壁に動画が映し出された。
私たちのクラスは20人。教科書やノートが必要無い。全てタブレット端末ですまされる。

「まずは何故、この世界には一つの企業しか存在しないでしょうか?わかるかたは手を上げて」
「それはビックブラザーが独占禁止法という法律を廃止したからです。また世界条約として輸出と輸入の関税を撤廃しました」
「そうですね。その他に」
「はい」
少女たちの声が教室に響く。
「ビックブラザーがアメリカの大企業を全て合併吸収しました。世界のほとんどの企業は一つに統合されました」
「そうですね・・・。では日本の総資産の世界比率は?」
「99パーセント以上で1000京円です。一挙に日本の対外債務は解消されビックブラザーの評価されるようになりました」
「で、この社会のデメリットとは何ですか?」
「一つの企業だけで全ての業種をまかなったため世界のほとんどの国が共産主義社会になり、経済が停滞しました」


 南先生はモニターと教室の全てのパソコンをシャットダウンさせた。一瞬、部屋が暗くなった。

 
 非常灯のオレンジ色のランプがつく教室で南先生の説明がはじまった。
「ねえ、この学園のほんとうの目的は知っている?」


 南先生は小さな声で言った。
「昔のように競争原理を取り入れて、活気ある社会に戻すためです。この学園はアキバ支援の学園というのが建前です。現在、さまざまな中小企業による反乱がはじまるところです。巨大企業の分割が私たちの目的です」


 その時、大沢という小柄の少女が質問した。
「世界から貧困がなくなったことは評価できないのですか?この数十年、報道の自由と政治活動の自由も認められています。世界中からホームレスはいなくなりました。その辺は評価しても良いのではないですか?逆に競争させると、落ちこぼされて路頭に迷う人が出るのではないでしょうか」
「確かにビックブラザーの政策にも評価する面もあります。でも、この数十年間、私たちの社会は停滞しています。そのままだと世界不況に陥り、徹底した言論統制が行われ、私たちの社会は住みにくくなります。他に意見は?」

 私たちが今、住んでいる世界は共産主義社会である。



作品名:私たち美少女は! 作家名:ぽめ