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てっしゅう
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「ぶどう園のある街」 第四話

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そして自分の病気のこともあり母の様子も気にしなくなっていました。あるとき母を訪ねるとこう言ったのです。『洋祐・・・おまえ音楽やっているんだろう。私のような不自由をしている人たちや病気の人たちを励ましてやったらどうなんだ』って。自分が同じことを考えていた時だっただけに母のこの一言は染みました。そしてギターを取り出して母の前で歌ったんです。初めて唄いました・・・母は喜んで涙を流していました。私は自分がしたいことを見つけたと強く感じました。勤めていた仕事も辞めてコンビニのオーナーに転進して時間を作りこうして皆さんの前に立てることが幸せなんです」

職員とその場に居た殆どのお年寄り達は拍手をした。そして涙を流していた。
高見は一人一人と握手をして「また来ますから」と再会の約束を交わしていた。最後に美也子の前に来て頭を下げた。
「今日は感動を戴きました。是非またお願いします」
「はい、約束します」
クリスマスケーキをみんなと囲んで食べながら、美也子は洋祐をじっと見ていた・・・