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杉が怒った

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第7章 【ジン】に会いに行く



自宅に戻った日野は、PCを立ち上げ、トンネル工事のゼネコンを調べて、ニュースで知った現場作業員が病院へ搬送された件を聞いてみた。結果、その件に関してはまだ調査中でコメントできないということだった。

次に日野は毒物災害の際の対処窓口を調べてみた。警察・消防・保健所など一般的な場合だろう。自衛隊には生物兵器対策の専門チームがあるようだが、いずれにしても今の段階で出動する筈はないだろうと思った。

もうPCに接続してはいない【ジン】だが、知識をどこかに保存しておくことは出来ないというのは楽観的過ぎる考えだろう。もう毒物は生成されている。そして同種の植物同士情報はあっという間に伝わる筈だ。まず、毒物を含んだスギ花粉が実在するかどうかを知りたい。日野は、【ジン】に会いに行く決心をした。

まず防毒マスクのメーカー、販売店を調べて一番近い代理店に電話をかけて在庫を確認。すぐに愛車で購入しに向かった。購入したそれを一時自宅に持ち帰る試しに装着してみた。何か他に必要なものはあるだろうか。【ジン】のスギ花粉の状態を知りたいので、望遠付きのカメラもあったほうがいいだろう。仕事がら当然カメラは必需品である。研究所にもあるかもしれないが、念のため自分のカメラを持参した。あのサリン事件のあと、オーム真理教の捜索の時に小鳥を入れた籠を持参していたことを思い出して、買ったほうがいいのだろうかと迷ったが、研究所内には毒は無かった筈と思いなおし研究所に向かった。


作品名:杉が怒った 作家名:伊達梁川