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朝霧 玖美
朝霧 玖美
novelistID. 29631
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ネクタイ猫

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もう一度、ゆうべのことから思い出してみた。
昨日は4月から部署を異動する俺のための送別会だった。
だからみんなお酒をついでくれて、普段以上にしこたま酒を飲んだよなぁ。
参加していたのは、俺と片思いの彼女とパートで来ている事務のおばちゃん、あと男性社員が数人。
普通の居酒屋だったし、食べ物も普通だった。変な味の物は何も無かった。
「最後だからと彼女を送っていく」と宣言して、タクシーに乗った。
どっちが送っていくんだかわからないような感じだったが、でも彼女の実家の前まで送っていったのは何となく覚えている。俺のアパートもそこから歩いて15分くらいだったから彼女が玄関に入ったのを見届けて歩き始めたような気がするんだが、記憶は心許ない。
作品名:ネクタイ猫 作家名:朝霧 玖美