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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の続き」 第十五章 恭子の想い

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「こじ付けだなあ・・・お前はもうここに来たくなっているんだろう」
「ええ、それがみんなのためにいいって思えるの」
「ふ〜ん、仕事を変わる俺の身にもなってくれよ」
「じゃあ・・・単身赴任にする?」
「酷いじゃないか!家族はバラバラにならないようにって言っているのに」
「あなただけが離れるだけよ」
「いつからそんなに冷たくなってしまったんだよ」
「うそよ。私はあなたの傍を離れない・・・私のような女を幸せにしてくれたのだから・・・」
「由美!本当か・・・愛してるよ」
「こんなところで・・・恥ずかしい」

「おとうさん!今変なこと言わなかった?」
「言ってないよ、空耳だよ貴史」
「空耳?愛してるって言う言葉が何の空耳?」
「ばらすなよ・・・もう」
「お父さん!そんな事お母さんに言ったの?」
「いや・・・その、空耳だ、恭子」
「素敵よ・・・ねえ?ここでみんなと暮らしたい。ダメ?」
「恭子・・・友達がいなくなるぞ、いいのか?」
「そんなに親しくしている子居ないから大丈夫だよ」
「じゃあ、高校生の彼は?」
「お姉ちゃん!それは内緒」
「おいおい、恭子誰のことだ?」
「ううん、嘘なの。お姉ちゃんの作り話」
「洋子、そうなのか?」
「お母さんに聞いてみてよ」
「由美、そうなのか?」
「その話は後でね。あなたは知らなくていいことだから」
「なんだ?父親だけ仲間はずれにするのか?」
「そうじゃないけど・・・ショックが大きいから」
「ショック?なんのだ?まさか・・・」
「ほら!顔色変わったじゃない。だから話せないって言うのよ」
「由美・・・頼むよ、教えてくれ」

「お父さん、夜ゆっくりと聞いたらいいよ。二人だけの部屋で」
「貴史、何考えているんだ」
「おとうさんと・・・同じだよ」
「まったく・・・」

恭子の彼の話を聞いて、そいつとは引き離さないといけないと修司は思った。男として下心があると気付かされたからだ。
「由美、ここに来るか・・・恭子のことも心配だから。離れれば会うことも無いだろうし・・・」
「あなたはやっぱり男親ね・・・どんなに恭子を守ろうとしてもそのうち彼が出来てそういう関係になって行くのよ」
「まだ早いよ。ボクだって理解が無いわけじゃないよ。時期が来れば許すよ」
「幾つぐらい?」
「う〜ん22〜3歳かな」
「ハハハ・・・甘いわね」
「キミも早かったのか?」
「そんなこと聞かないで!・・・もう」
「すまん、つい・・・」
「洋子と貴史は17歳の時にそうなったのよ。私が勧めた」
「由美が?洋子にか」
「そう」
「どうして?」
「好きだと解っていたから」
「高校生だよ。好きでも普通は親は反対するぞ」
「女心はあなたには解らないのね・・・まあいいけど、貴史だったから安心できたし」
「幼友達だったしね。気心が知れていた、って言うわけだね」
「良く解っているじゃない。洋子はずっと好きだったのよ、小さい頃から・・・それに気付いたの。母親として何もしてやれなかった
けど、この想いだけは叶えてあげたいって強く思った」
「そうだったのか・・・洋子と貴史はもういいのかも知れないな・・・」
「ええ、そうね」

修司と由美が話し合っている時に、貴史と洋子、恭子の三人は同じ部屋で騒いでいた。
「もう!貴史は変態ね!」
「何でだよ・・・ちょっと見ただけじゃないか」
「兄弟なのよ、見たりしないのが普通よ」
「気になったから・・・ちょっと」
「大きさが?」
「まあ・・・どんなぐらいかなあって」
「恭子、叩いてやりなさい!」
「・・・もう見ないって約束して!」
「解ったよ・・・俺違う部屋に行くから」
「出て行きなさい!」
「お兄ちゃん、いいの・・・」
「ダメよ、恭子はもう大人なんだから」
「兄弟でしょ?ちょっとぐらいの事は気にしないようにする」
「ちょっとぐらいじゃないでしょ?」
「いいの・・・おにいちゃんに嫌われたくないから」
「そんな事で貴史は嫌ったりなんかしないよ。それより遠慮しなくなるからきちんと言っておかなきゃ」

パジャマに着替える時に恭子をじっと見ていたから洋子は怒っていた。自分と比較しているように感じたからでもあった。

抵抗無く恭子が貴史の前で着替えたことも洋子には想像していなかったことだった。普通は男子が見ているところで
着替えたりするものではなかったからだ。恭子は知っていてそうしたのだろうか・・・そんな想いも洋子は感じていた。