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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第5話・第6話)

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■ヴェノム海底遺跡 遺跡前<シーンNo.6-3>
 
 ※画面が明るくなる。

 円になって、レイナからここまで来た事情について聞く。

  ルリ「レイちゃん。ここまで来た経緯(けいい)について、教えてもらえないかな?」
 レイナ「・・・・・・で、でも」

 ためらうレイナ。
 フェレル、優しい口調で、

フェレル「俺たち、レイナのことを信じるから。だから、頼む」

 フェレルを見つめるレイナ。
 優しそうな表情でレイナを見つめるフェレル。
 レイナから見て、フェレルの右隣にいるリディアは、レイナに向かってウインクをする。
 レイナ、勇気をだして、

 レイナ「・・・・・・わ、分かりました。わたしがここに来たのは、これです」

 レイナ、遺跡の最奥にあった本を取り出す。本の中心には紫色のオーブがはめてある。

  ルリ「やっぱり、これだったのね」
フェレル「(本を見つめながら)この本って一体何なんだ?」
 レイナ「この本は、真ん中にある紫色のオーブをはめることで、結晶術の力を増すことができるとシェイガーさんが・・・・・・」
リディア「(レイナを見ながら)シェイガー?」
 レイナ「・・・・・・は、はい。マノーラを歩き回っていたときに黒フードで顔を隠した、見るからに怪しい痩せた男性からこの紫色のオーブをもらい、ここの場所を教えてもらいまして・・・・・・」
フェレル「(顎に手を当てながら)シェイガー・・・・・・黒フードで顔を隠す、痩せた男―外見だけだと、あの男に似ている・・・・・・」
  ルリ「(フェレルを見ながら)あの男ってのは?」
リディア「(ルリを見ながら)あたしたちの村―サウスマリー村を魔物で襲った男が、黒フードで顔を隠した大男だったの」
  ルリ「そうなんだ・・・・・・ふむ、確かにその男と手を組んでいる可能性は否定できないわね」
リディア「ふむ。オーブをレイナに渡して、ここに行くように指示した・・・・・・つまり、そいつは、これがここにあることを知ってて、渡した可能性があるわね」
フェレル「へぇ~」
リディア「な、なによ?」
フェレル「いや~たまには良いところに目をつけるなぁ~って」
リディア「『たまには』じゃなくて、『いつも』よ!」
フェレル「へいへい」
  ルリ「そして、本を持ち帰ったと同時にレイちゃんを殺して奪おうと・・・・・・」
???(シェイガー)「フッフッフ、その通り・・・・・・」
  4人「!!」

 4人の前に、黒フードで顔を隠し、青い水晶玉を携えた、痩せた男が現れる。男は背を丸めて、水晶玉を空中に浮かべさせている。まるで幽霊のようだ。
 リディア、武器でシェイガーを指しながら、

リディア「あんたがシェイガーなの?」
シェイガー「(陰りのある口調で)フッフッフ、威勢のいいお嬢さんだ・・・・・・いかにも、ワタシがシェイガー・フェアゲーエンだが?」
  ルリ「だったら、ここで捕まえないといけないわね。ジャスティスの名にかけて!」

 ルリ、武器を構える。

シェイガー「フッフッフ、ジャスティス・・・・・・か。本当に我らの計画を阻む、邪魔くさい集団だな・・・・・・」
 レイナ「(怯えるように)ホ、ホントに・・・・・・わたしを殺しに来たんですか・・・・・・?」

 レイナ、ではなく、彼女が抱えている本を見つめるシェイガー。

シェイガー「おお・・・・・・『暗天の頂(フィンスター・ギッフェル)』を手に入れたか。フッフッフ。それさえあれば不要に過ぎんよ、フッフッフ」
   ルリ「・・・・・・どうやら、レイちゃんだけでなく、あたしたちですら、この男に利用された駒に過ぎないってわけね」
リディア「え!?」

 そのことに驚くリディア。
 ルリ、シェイガーに鋭い目つきで睨む。

シェイガー「おお・・・・・・悪く思わないでくれたまえ。そちらの娘さんとお二人さんが鉢合わせしたときから確信しただけに過ぎんよ。貴方のような女性まで来るのは想定外だったが・・・・・・この本の邪念を見事に倒し、事が運べる仕組みを作ってくれた。あなた方には、最大限の感謝をしているよ。仕事を楽にこなせるのだからね。フッフッフ・・・・・・」

 不敵な笑みを浮かべるシェイガー。笑みの裏には、容赦のなさが伺える。

リディア「・・・・・・っ」

 レイナ、本を強く握りしめながら、

 レイナ「これは・・・・・・渡さない!」
フェレル「それなら好都合だ。おまえをここで倒して、目的を聞かせてもらうぞ!」

 フェレル、鞘から剣抜く。

シェイガー「フッフッフ、おめでたい奴らだ・・・・・・大いなる闇の力を持ったワタシに勝てるとでも?」
リディア「そんなの、やってみないと分からないだろ!」

 シェイガーに向けて、棒を振る素振(そぶ)りを見せるリディア。

シェイガー「フッフッフ、だったら試してみるがいい。この力とおまえたちの力、どちらが上か白黒つけてやろう・・・・・・フッフッフ・・・・・・」

 シェイガー、右手に持っている水晶玉を掲げる。水晶玉は青色から紫色に変化し光りだす。
 するとシェイガーの周囲に4つの魔法陣が展開され、黒い魔物が姿を現す!

リディア「くっ、黒い魔物!?」
シェイガー「フッフッフ・・・・・・行くぞ・・・・・・」
  ルリ「くるわよ!」

 ※イベント終了。シェイガー・フェアゲーエンと黒い魔物×4とイベント戦闘。(ここでは、魔物×4は倒すがシェイガー・フェアゲーエンの力に成す術なくやられてしまう。)

<戦闘終了後>

リディア「くぅ!」

 4人は力尽き、膝をついてしまう。
 リディアたちを見下すかのようにシェイガーは見つける。

シェイガー「フッフッフ、これで分かったかな。闇の恐ろしさを・・・・・・」

 フェレル、くやしそうにシェイガーを見つめながら、

フェレル「つ、強い・・・・・・」
シェイガー「フッフッフ。さあ、その本を渡した方が身のためだぞ・・・・・・フッフッフ」
  ルリ「し、仕方ないわ、ね・・・・・・」
 レイナ「(苦しい声で)ううっ・・・・・・」

 自分の身の危険を肌で感じる4人。リディア、仕方なく、

リディア「(悔しそうに)しょ、しょうがないわね・・・・・・」

 自分の左後ろにいるレイナを見つめ、左手を差出し、

リディア「レイナ、ゴメン。これもあたし達が生きるためよ・・・・・・」
 レイナ「わ、わかりました・・・・・・」

リディアに本を渡すレイナ。

リディア「はい。これでいいでしょ」

 リディア、素直に『暗天の頂(フィンスター・ギッフェル)』と呼ばれる本をシェイガーに差し出す。
 シェイガー、本を掲げる。

シェイガー「フッフッフ。ようやく手に入れたぞ。人の負の力を封印した、源争(げんそう)時代の本を!これで残すはあと2つ・・・・・・フッフッフッフ!」

 シェイガー、自身の足元に紫色の魔法陣を展開させる。

シェイガー「フッフッフ。これでやるべきことは果たした。命だけは助けてもらえることを、有り難く思うんだな・・・・・・さらばだ・・・・・・フッフッフッフ」

 シェイガー、徐々にこの場から消えていく。

リディア「ま、待てっ!」

 シェイガー、この場から消える。