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スターブレイダ―ズ

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 本来船首の先端部分には超磁力発生装置を仕掛け、レーザー砲やミサイルのソナーを狂わせる能力を持っていると言うのだ。
「そういえば……」
 よく見るとナガミツには焦げ目すらついていない、超磁力により狂わされ屈折したレーザーやミサイルが勝手に爆発したのである、決して相手の防御力が高い訳ではない。
 そしてあの光の刃、
 あれはレナのソニック・シュレッダーを一点集中させたようなもので、高い貫通力と攻撃力を誇るがそれは一瞬でエネルギー・チャージに時間がかかる為に余計な武装を外したのだと言う、
『次にあの機動力なんだけど、これも説明がつくわ』
 ビアンカの話ではナガミツの巨大な機体には強力なエンジンが2つ以上取り付けられ瞬時に爆発的な飛躍力を得るのである、
『そうか!』
 するとホークが会話に入った。
『シンジ君、つまり居合だ!』
「イアイ?」
 居合い……
 それは刀を鞘に収めた状態で素早く抜刀し敵を斬り付けると言う必殺剣である。
『私も時代劇でしか見た事が無いから良く分からないが、とにかくこれは素早い動きをする者と戦う為に有効な手段なんだ。そしてそれにはある程度距離を空ける必要がある』
「???」
 シンジにはさらに理解できなかった。時代劇など興味がないので見た事も無い、
『つまり直線的な動きでは01に勝ち目がない、一気に勝負をかけるんだ!』
「勝負って言ったたって……」
 光の刃が届かないように距離を取ったってスター・ブレイド01の機動力では簡単に追いつかれる、いっそ懐に入ろうにも簡単によけられてしまう、どうすれば良いのかと思考能力が低下しているシンジは周囲を見回した。
「ん?」
 するとシンジはモニター越しに何かを見つけた。
 右90度にあるそれは先ほどナガミツが壊したスター・ブレイド05のミサイル・パックが無傷で残っていた。
「そうだ!」
 シンジはレバーを切って方向転換、エンジンを全開にするとブースターが火を噴いた。無論ナガミツも追いかけてくる。
『な、何考えてんのよアンタ、逃げる気?』
「うるせぇ! ちょっと黙ってろ!」
 シンジはバックをスクリーンに映し出す、
 高速タイプのナイトでは無いシンジの機体はジリジリと距離を縮められて行く、しかもナガミツの船首が左右にスライドし巨大なレーザー・ブレードが飛び出した。しかしそれはシンジの計算の内だった。
「上がれぇぇーッ!」
 シンジは操縦桿を思い切り引くとスター・ブレイド01を急上昇させた。
 高速型のナイトの弱点はここにあった。
 スピードを出し過ぎると簡単に止まる事は出来ない、ナガミツはそのまま05のミサイル・パックに突っ込み収納されていたミサイルが爆発、光の刃がかき消されると同時に爆煙で視界が封じられた。一瞬だが身動きが封じられた。
「捕まえたぜ! サムライ野郎」
 いくらミサイルやレーザーを屈折できても発射していないミサイル・パックならそのまま攻撃すれば爆発する、その隙を狙ってスター・ブレイド01は大きく弧を描くと一直線にナガミツ目がけて突進した。
「終わりだ!」
 シンジはありったけの武装を解き放つとナガミツにヒット、ライフ・ゲージはゼロとなり、勝負は着いた。
作品名:スターブレイダ―ズ 作家名:kazuyuki