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スターブレイダ―ズ

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プロローグ



 無限に広がる大宇宙、人類が宇宙に飛び出してから200年余り、人類の居住はもはや地球だけに留まらず、太陽系全土にまで広がっていた。そしてかつては平和を破壊し、戦争の道具としてしか扱われなくなった戦闘機は『ナイト』と名を変え宇宙で大人気の戦闘競技スペース・シップ・バトル、通称SSBの道具に生まれ変わった。

 そして今日この日、最強のナイトチームを決める大会『マスター・オブ・パラディン』が行われた。
 小惑星ほどあろう緑色のワイヤー・フレーム状の球体型のフィールドが宇宙に張られ、その中では20を越えるナイト達が戦いを繰り広げていた。
 ミサイルやレーザーの中を掻い潜り、相手のナイトに向かって攻撃、ヒットしたナイトは大爆発、乗っていたクルーはフィールドの外で待機していた自分の戦艦に強制転送される。その中で一際輝きを見せる1つのナイトがあった。
 そのナイトは上級チーム、スター・ブレイダーズ、乗っているのはリーダーのハヤト・ゴウ、彼は自分の剣である白い機体に4枚のナイト、スター・ブレイド01で立ちはだかる敵ナイト達を撃破しついにナイト達の頂点に君臨した。

 自分の戦艦であるスター・キャッスルに戻ってきたハヤトを出迎えてくれたのは仲間のクルー達と身内の子供達だった。
 まだ年場も行かない小学生くらいの男の子と女の子が2人と中学生くらいの男女が2人、その中学生くらいの女子の腕の中にはまだ1才ほどの乳児が1人いた。
 その小学生くらいの男の子はハヤトの息子で名前はシンジ・ゴウだった。ハヤトは1年程前に妻を病気で亡くしてしまったが残された2人の子供が彼にとって最大の宝物で、ハヤトの勝利は子供達の為に戦っていたのだった。
 ハヤトはスター・ブレイド01から降りるとヘルメットを取る、40前半で引き締まった面構えに少し顎髭を携えた太い眉に泉のように穏やかな瞳を細めてニッコリと笑うと息子の頭の上に頭を置いた。
 少年も笑っていたが、やがて表情が冷め切り、父の顔が段々色ボケた写真のようにセピア色になっていった。それどころか自分以外の人々も周囲も同じ状況になってゆき、そして父はいつの間にか姿を消してしまったのだった。
『お父さ――んッ!』
 少年の声は大きく、そして空しく響き渡った。

    
作品名:スターブレイダ―ズ 作家名:kazuyuki