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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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OATH~未来につなぐシルベ~序章(後半)

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リディア「なんか、ムカつくんですけど~」
シスター「ふふふ」
リディア「ははは」

 お互い、笑いあう。そこには確かにシスターとリディアの小さな幸せがあった。
 そして、リディアはシスターに『あの表情』について聞き出す。
 ベッドの上にリディアは、シスターの隣に座っている。

リディア「ねえ、シスター。聞いてもいい・・・・・・?」
シスター「なに?」
リディア「フィーリング家から一緒に出ていく直前、なんで、あんな寂しそうな顔をしていたの?シスターのあんな表情、見たことなかったから・・・・・・」

 シスター、そこから見える月を眺めながら話し出す。

シスター「・・・・・・その事ね。そりゃあね、『娘』が『親』からの独り立ちをするのは嬉しいことなのだけど・・・・・・それでも、ずっと大切に育ててきた『娘』がここをでていくのは、ね・・・・・・『親』にとっては寂しいのよ・・・・・・特にあなたがでていくのはね」
リディア「シスター・・・・・・」
シスター「今でも思い出すわ・・・・・・貴女と最初に出会ったあの日。『記憶』を失い、そして人を嫌い、髪も金髪に染めて、おまけに暴力も奮い、その姿はまるで『不良少女』・・・・・・本当は優しそうな子なのに、なんでこんな姿になってしまったのか。とてもほっとけられなかったわ」

 ※保護されていた施設で、髪が金髪に染め、ただふてくされながら隅に座り込んでいる9、10歳くらいのリディアの絵が入る。

リディア「うん。酷かったもんね・・・・・・本当に」
シスター「ほんとよ。貴女に『心』を開いてもらうまでが大変だったんだから・・・・・・」
リディア「『今』のあたしを見て、シスターはどう思う?」
シスター「え?」

 リディアを見つめるシスター。
 彼女は顔を下に向けながら、

リディア「あたし、いつまでたってもワガママだし、後先考えないし・・・・・・成長、しているのかな?」

 シスター、優しく語りかけるように、

シスター「大丈夫。しているわよ、とても・・・・・・確かにワガママだけど、『人を慈しみ、思いやる心』を持って、村の人からたくさん愛されている・・・・・・。これってすごいことじゃないの?『人に愛されている』ってことは、人から『信用』されていること。これって『人』として幸せなことでしょ。それに『ワガママ』と言っても、あなたのワガママの殆どが『人のため』のワガママだし、度が過ぎたものでもないわ。『人のため』のワガママ・・・・・・だから、あなたは信頼されるし、『愛される』のよ。フェレル君にも信頼されているでしょ。だから・・・・・・」

 シスター、隣にいるリディアを抱きしめる。

リディア「・・・・・・!」
シスター「貴女(あなた)はあなたのままでいいの・・・・・・。その『心』で守っていきなさい。そして、それが『誓える』程の強さを見つけてきなさい。そのままの貴女でいいから、ね・・・・・・」
リディア「ううっ・・・・・・うっ・・・・・・シスター・・・・・・シスター」

 リディア、シスターの胸で大粒の涙を流しながら、

リディア「あたし、あたし・・・・・・絶対、強くなるから。一人前として認められるくらいに。それから、『記憶』を取り戻しても・・・・・・帰ってくるから・・・・・・必ず!」
シスター「うん。・・・・・・あなたの居場所はいつも『ここ』よ。だから、疲れたらいつもでも戻っていいからね。・・・・・・精一杯、暴れてらっしゃい!」
リディア「ありがとう・・・・・・シスター・・・・・・!!」

 泣きながら、シスターを優しく抱きしめるリディア。そして、彼女を優しく包み込むように抱きしめるシスター。
 抱きしめあう二人を月が優しく照らしていた。
 ※このまま、イベントが進む。