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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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さくら

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友達は少女に声をかけていた。ひざの擦り傷を見つけると、自分のハンカチで手当てをした。
少女ははにかみながら、何度も2人に礼を言った。
「可愛いな」
どちらともなく言いだした。
制服から同じ高校生であると解っていた。
光と少女はクラスが同じになった。友達は隣のクラスである。
「この間はありがとう」
少女の言葉に、光は嬉しかった。自分ひとりに言ってくれたことが、とても嬉しく感じた。
光は少女、染井吉野を好きになってしまった。
好きになればなるほど、光は自分のニキビ顔が嫌になった。
次第に少女に顔を合わせるのが嫌になり、登校拒否になった。
高校は退学となり、通信教育で高校を卒業した。
それからは引きこもりのまま、仕事にもつかず、絵を描いていた。
作品名:さくら 作家名:吉葉ひろし