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せき あゆみ
せき あゆみ
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ことばの雨が降ってくる

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*ワタクシの失敗*



前項で味の調和という表現をしましたが、全体を通して違和感がなければいいのですが、ちょっとしたところで「あれ?」なんて感じるところがあったら、作品に「ぶれ」があるということになります。

だいぶ公募になれた頃、ワタクシは失敗をしました。
“赤い糸 青い糸”という作品で、公募ガイド社の新人賞の佳作をいただきましたが、その作品でです。

受賞式といっしょに開かれた講習会で、ワタクシ(ともうひとり)の作品が参考作品として取り上げられることになりました。

このころのワタクシは、いくつかの公募で入選するようになっていて、いわゆる『公募慣れ』してしまっていたのです。

このときも、入賞をねらった作品を書きました。
ええ、プロの先生にはお見通し。
『承転結のお手本のような作品』といわれました。
もちろん、起承転結はお話の構成上大切なことですが、ワタクシのこの作品はねらって書いたために、こぢんまりとまとまりすぎて、お行儀がよすぎたのです。

それはつまり、個性がない。冒険がなかったわけで。
しかも、作品の中に「ぶれ」があったのです。
ここに発表したものは書き直した(というか、もともと書いた)ものですが、応募したときは、主人公に『ピンク色』というせりふを言わせていたんです。

何度も書き直して、最終的に『ピンク色』というせりふの入った原稿を投函したのですが、ワタクシはそれが引っかかっていました。

ねらい通りの入賞でしたが、実はねらっていたのは優秀賞だったのです。

このとき、『ピンク色』のせりふで今までの印象が変わってしまったと先生から指摘されました。
そして、この『ぶれ』がなければ、優秀賞だったとも。

あ??、やっぱり失敗でした。この『ぶれ』こそ味の不調和だったわけです。

それにしても、ワタクシはあさましい根性を見透かされて、講習会の間中、グサグサと先生のことばが突き刺さってきたのです。

いやはや、プロの目はごまかせません。
というわけで、こちらにアップしたものは書き直してあります。