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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ことばの雨が降ってくる

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*だれにでもあるスランプの話*



童話を書き始めて1年経った頃、それまでおもしろいほど物語が浮かんで書きまくっていたのに、ある日突然書けなくなってしまいました。

はい。スランプです。

中にはスランプのない方もいらっしゃるようですが、ほとんどの方は経験があると思います。
来てほしくないお客さまですが。

こうなると、自分はなんで物語を書いているんだろう。
なんてしょーもないことを考えちゃうんですよね。
書きたいから書いているんだっていう大前提を忘れちゃって。
もっとも無理ないことかもしれないですね。
書きたいのに書けないんですから。なんのために、誰のために書くのか、なんて哲学的なことまで考え始めちゃって……。

そのときワタクシ、ふと子どもの頃のことを思い出しました。自分はどんな子どもだったろうか。どんなことをしてきたのだろうかって。

まあ、ちょいと理屈っぽくて変わった子どもでしたが、海でも山でもガキ大将で遊んだものです。

古い木造校舎の廊下に西日が当たるとき、木漏れ日が水玉模様に見えて、それが異世界への入り口のように思えたり。
柿の木の下で、散った花びらを拾って首飾りを作ったり。

その他いろいろ思い出すうちに、自分は世界でたったひとりのオリジナルだと気づいたんですね。

書けないなら、自分の子どもの頃のことを書けばいい。
書きたいのは何のためでも、誰のためでもない、自分のためなんだと。

そう思ったら気が楽になりまして、また自然に物語が浮かんでくるようになったのです。

スランプから抜け出して最初に書いた作品は、“コウタと嘉助と浜昼顔”で、これはミニコミ誌をだしていたころ、古老から聞いた昔の街と子どもの遊びの様子を元にした物語です。