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カナダの自然に魅せられて  ~トロントへ~

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26、アメリカ滝とカナダ滝



「霧の乙女号」はゆっくりと動き始めた。
まずは、手前の滝、アメリカ滝に近づいていった。
見えてきたのは、橋のようで橋ではないもの。それというのも途中でぷっつりと切れているからだ。
なんであんなところで途切れているんやろう。へんな橋やなぁと思っているとそれは展望台だった。
そこは、プロスペクト・ポイントといって、アメリカ滝を真横から見るビューポイントだそうだ。

アメリカ滝は幅が260メートル。滝つぼのあたりにはゴツゴツした岩がたくさん見える。流れ落ちる滝の勢いによって削り取られた岩が下に積み重なっているのだ。
ナイアガラの滝は、このように水量と勢いが半端じゃないので、滝はどんどん侵食されているようだ。

昔、滝ができた頃は、現在の位置よりも10キロも下流のワール・プールと言うところにあったらしい。ちょうど、トロントからのバスを降りた近くになる。
そこから毎年1メートルずつ後退してきたみたいだが、今は人工的に手を加えて、年間3センチぐらいの後退にとどめているそうだ。(そんなことできるんだ。)
毎日毎日、あの水量が岩石の上に落ちてきたら岩の形も変わっていくだろうなと想像できる。

少し、進むと今度はすぐ横にブライダルベール滝が見えてきた。ここは幅15メートル程の細い滝だが、それでも50メートルも上から大量の水が落ちてくるのだから、その勢いはすさまじく、水しぶきが舞い上がり、私たちの方にも飛んできて顔が濡れる。
ちょうど、その滝の足元あたりに黄色いカッパを着た人たちがズラッと並んでいた。
わあ〜(^0^)/
あんなに近くまで行けるんや!すごいなあ!!でも、きっとずぶ濡れになるだろうなあ。
着替えを持ってきてたら行くのになあ。(そこはアメリカだから国境を越えないと行けないが。)
アメリカ滝とブライダル・ベール滝の間の絶壁の上には、滝を間近で見ようとする観光客が豆粒のように並んでいた。

船は滝から離れ、カナダ滝へと向かっていった。水しぶきからは暫し休憩であった。
一息つけた。

さて次はカナダ滝。カナダ滝はよく知られているように、U字型のカーブになっている滝だ。
幅が670メートルもある。落差はブライダルベール滝と同じく約53メートルあるらしい。しかも滝つぼの深さが56メートルもあるというから驚きだ。

滝に近づくにつれて水しぶきもどんどんかかるようになってきて、なかなかカメラをカッパの下から出せなかった。  
霧の乙女号はどんどん滝つぼに近づいていく。こんなに近づいても大丈夫なの?
それに船がよく揺れるのだ。ほんとうにひっくり返らないかしらとドキドキしながらも雄大で豪快なカナダ滝を見上げていた。

ほぼ50メートル上を真上に見上げることになる。
滝の音はドドドドーンと轟音に近く。その流れ落ちる水の音と、水しぶきがバサ〜ッと飛んできたときの観光客の歓声で近くにいても話し声さえ聞こえない迫力だ。
エリー湖から流れる川の端から、切り立った崖にそって、水が流れ降落ちるさまはなんと表現したらいいだろうか。
水がグ〜ンと盛り上がってそして垂直に落ちてくるのだ。
そこには水の透明感はなく、白く泡立った水のカーテンが揺らめいているようだった。
落差もさながら、その水量に驚いてしまう。

圧倒されてしばらく見いっていた。

周りの色はモノトーン。流れ落ちる水と水煙で周りは薄いベールを被っているようにも見える。
おかげで、顔も、カッパから覗いている髪の毛もサンダルを履いた足元もビショビショに濡れてしまった。
カメラは大事におなかの辺りにしまい、時々出して、さっと写してまた隠すことを繰り返しながら写真を撮っていたので、なんとか濡れずにカメラも助かった。