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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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五の五  【粉】


【粉】、左の「分」は刀で二つに分ける意味があるそうな。そして、穀物を分けたものが【粉】だとか。

この【粉】を使った食べ物が、いわゆる「粉もん」。
かまぼこ/はんぺん系の「練りもん」からは、ちょっと距離を置いている。
「粉もん」は、たこ焼き/お好み焼き/うどん/そば等々で、パスタも入るようだ。庶民から愛されている。

だが、同じ粉でも、これは遠慮したい。
それは「花の粉」。
杉にヒノキにブタクサ…もう堪らない。

外は春うらら、気候が良い。これに誘われて、うろついてみようものなら、粉悶嵐(こなもんあらし)。
恐怖のクシャミの七連発。 
その上に、悲しくもないのに目がウルウルウルと。

西洋では、これをローズ・フィーバーと呼んでいるらしい。いわゆる薔薇熱だと。これも馬鹿にした話しだ。

ローズ? 
そんな美しい「花の粉」ではない。ブタクサ・フィーバーと名付けろよと言いたくなってしまう。

そんな【粉】、「粉もん」は実に愛されているが、花が前に付いて、「花粉もん」になれば、とんでもなく嫌なヤツになってしまうのだ。