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猫電話

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「あなたは?」
「お客さんです」
「鍵をあけてくれますか?」
「いいですよ。買い物をして来てくれたらですけどね」
「何を買って帰ればいいんですか?」
「キャットフードと猫砂と、猫のトイレを買って来てください」
 秦野は買い物をして帰って来た。ドアはやはり開かない。そのとき、秦野は、中の「お客さん」が猫だと気付いた。
「もしもし。買い物をして来ました」
「ご苦労様です。いま、ドアロックを解除しました」
 ドアを開けて中に入ると、三毛猫がニャーと鳴いて出迎えた。そして、秦野の足にすりすりした。名前は何というのかを知りたいと思い、秦野は外へ出た。
「もしもし。名前を教えてくれますか」
「名前は『ネネ』です」
 秦野は中に入ってその名を呼んだ。ニャーと鳴いて三毛猫は喉をゴロゴロいわせた。


作品名:猫電話 作家名:マナーモード