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司令官は名古屋嬢 第4話 『やっかいな存在』

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 そこに行ってみると、そこから少し離れた場所に3人の敵兵がいた。敵兵といっても、ついさっきまで戦っていた敵兵とは、服などの装備が違った。さっきの連中は、元陸上自衛隊らしい軍服を着ていたが、守山のすぐ近くにいる3人は、元海上自衛隊らしい軍服を着ている。彼らは、戦闘服を装備しており、銃を構えていた。少なくとも、ここの作業員でないことは明らかだった。彼らは、コソコソと移動していた。
 守山は、スキを伺うため、バレないように彼らを尾行する。

 やがて彼らは、元々は発電所のタービン建屋であった場所に入ろうとしていた。ドアを開ける際にスキがあったが、守山は、発砲音で敵兵の仲間を呼んでしまうかもしれないと考え、奇襲を思い留まった。
 そして、3人の敵兵たちは、タービン建屋の中に入っていった。守山もおそるおそる建屋内に入る。


 作業時間外のため、建屋内に作業員の姿は無く、敵兵たちは、どんどん建屋内を進んでいった。守山もその後を追う。

 やがて、使用済み核燃料を保管しているプールにたどりついた。プールの周りには、異次元から調達した『対NBCシールド』が張られており、防護服を着ていない敵兵たちはそのことも知っていたようだ。
 敵兵たちは、服の中に何かを隠し持っており、C4爆弾がチラリと見えた。どうやらそれで、シールドを破壊してしまうつもりらしかったが、3人全部の爆薬量を考えると、プールごと破壊できそうだといえた。
{爆弾を仕掛け終えて、隠れようとしているときが狙い目ね}
守山はそう考えると、自動小銃をいつでも撃てるようにした。

 それからすぐに、敵兵たちは爆弾を仕掛け終えた。そして、どこかに隠れようとし始めた。すると、

   タタタタタタタタタタ!!!

 守山は、彼らに銃弾の雨を浴びせた。3人のうち2人は即死。残りの1人は、肩から出血しながら、使用済み核燃料が眠るプールにドボンと落ちた……。
 幸い、時限式ではなく、リモコン式の爆弾だったようで、死体の一つの近くに、起爆リモコンが落ちていた。

「糞!!!」

プールに落ちた敵兵は、肩の痛みを耐えながら、立ち泳ぎをしており、ゆっくりとハシゴへ向かった。
「昇ってくんな!!!」
守山は、ハシゴを外してしまった……。
「何しやがる!!!」
敵兵は怒鳴ったが、その声には恐怖心が感じられた……。
「私の質問にちゃんと答えれば、助けてあげるよ?」
敵兵の恐怖心を察知した守山は、さっそく弱味につけこんだ取引を持ち掛けた……。
「わ……わかったよ」
敵兵は、沈まないように必死に立ち泳ぎしながら取引を承諾した。
「アンタはどうやってここに来たの?」
「……ボートだ!!! 潜水艦からゴムボートで来たんだ!!! そのボートは、近くの埠頭にある!!!」
敵兵は今にも沈んでしまいそうだ……。
「ああ、なるほど」
守山は納得した様子で、敵兵に言った。
「早く助けてくれ!!!」
敵兵は守山に懇願した……。
「……アンタが言ったことが、真実だとちゃんとわかればね♪」
守山はニッコリとした笑みを浮かべてそう言うと、まるでその敵兵のことを忘れたような様子で、すぐ近くの敵兵の死体を漁り始めた……。

 それから少しして、哀れな敵兵は、使用済み核燃料保管プールの水中に沈んでいった……。プールの中には、先客である核燃料が沈んでいた……。