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キツネ目をつかまえろ

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 二人が並んでアーケードの下の人通りの少ない商店街を歩いていると、邪魔だ。どけ!と、間もなく背後から怒鳴られた。早川が危機感を覚えながら振り向くと、自転車のペダルを必死で漕いでいる若い男が接近して来た。ジーンズとTシャツ姿の、普通の青年である。自転車はかなりのスピードで、慌てて間隔を開けた二人の間を通り抜けようとする。
 そのとき、結城はサッカーの選手がシュートを決めるように、自転車の後輪の辺りを蹴った。転倒はしなかったものの、自転車はよろけながら十メートル以上走ってから停止した。
 青年は自転車を放り出したので大きな音がした。彼は駆け戻った。そして、結城を殴ろうとした。
 だが、空振りに終わった。結城は俊敏だった。咄嗟に身をかがめた。攻撃をかわした彼は、殴ろうとして失敗した青年の腕を捉えた。そして、背後にその腕を捻り上げた。
 結城は若い男の手首をきつく握ったまま、
「邪魔だ、どけ、なんて、そんな云い草はありません。第一、どこだって歩行者優先です。すみません通してください。そう云うべきだとは思いませんか?」
 青年は顔を歪めて悲痛な声を出した。
「……痛えなあ。わかったよ。わかったから放してくれよ。バイトに遅れそうで焦ってるんだよ」