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カナダの自然に魅せられて  ~リスを探して10日間~ (1)

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3、クィーンエリザベスパーク



クィーンエリザベスパークはお花が咲き乱れていて、リスたちもたくさん遊んでいる公園なのだと出発前に読んだガイドブックには書いてあった。動物園の檻の中ではなく、普通に公園の中を歩いているリスに出会えるなんて、それだけで満足だわと思っていた。

クイーンエリザベスパークには、バスで行くことにした。バス停に着いて時刻表を探したが、時刻表が見当たらない。

「時刻表は?バスは何時に来るん?」
と美月に聞くと、
「時刻表はないねんよ。携帯でアクセスしたらいつごろ来るかわかるようになってるんよ」
なるほど、バス停には、アドレスを書いた紙が貼ってあった。観光客はそんなことわからへんやん、不親切~!…とぼそぼそとつぶやく。
バンクーバーに住む人は全員携帯を持っているのだろうか?そんなことはないと思うからきっと他にも確かめる方法はあるのだろう。

美月は、バス停で携帯を覗いていた人に聞いたらしく、
「もうすぐ来るって!!」
と教えてくれた。程なくして、バスはやってきた。

バスの中には指で押すブザーはなく、コードのようなものが窓の上にぐる~と張り巡らされていた。それを引っ張れば「チン」と音がして、運転手に知らせるようになっているのだ。珍しい。日本のバスのように、『ブザーの場所は…?キョロキョロ、あ~ん、手が届かないよう…』ということはないようだ。そのコードのようなものを引っ張ってみたかったが諦めた。どこで降りるのか美月に任せてあるのでさっぱり分からなかったから。

公園の近くで、バスを下りた。もうすでに薄暗くなっている。

入り口付近には、ハッと目を引く背の高い1本の木が立っていた。それはもみの木だった。頭の部分が小さく、顔が横を向いているような…、右手が上、左手が下でちょうど巨人が『おいで、おいで』をしているように見える枝。ちょっと不気味な枝振りのもみの木だった。周りの薄暗さがさらに不気味さを際立てていた。クイーンエリザベスパークといえばこのもみの木を思い出す象徴的な木となった。

ここはスタンレーパークと並ぶバンクーバーの代表的な公園だ。流石に広い!大きなもみの木がたくさん生えていて、北の国に来たんだ~と思わせる。子どもの背丈くらいのもみの木もたくさんあって、これを持って帰ればクリスマスツリーにピッタリなのになぁ、などと思った。
大きなもみの木の上に雪が積もったら、イルミネーションで輝くクリスマスツリーより素敵だろうなぁ…なんて想像しながら歩いた。いいなあ、カナダは。そのまんまでクリスマスツリーだ!!