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いまどき(現時)物語

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「高見沢さん、桜木って、独身じゃないわ、資料によると確かに妻がいる、
少し変わった名前なんだけど … 小夜子花(さよこばな)ってね」

「その小夜子花って人、どんな人か書いてある?」

「資料だけじゃわからないわ」と、浮舟は実に残念そうだ。

「そうか、しかし小夜子花って、例えばだよ、
もし、夫の桜木が朝霧の妻と長い不倫関係にあり、
今度は夫の桜木が不倫の相手を可奈子に変えようとしている、

そんな事すべて、もし知っていたとしたら … これは大変だね」

高見沢はここまで推理し、「ふー」と大きく息を吐いた。

浮舟は「そうね」と深く頷きながら、
「いつも一人ぼっちの小夜子花、この四人達への恨みは、骨髄に達していたでしょうね」と納得している。

「小夜子花は、やっぱり全部知っていたんだよ、桜木が朝霧を強請っていた事も、
だから全てを破壊するために、朝霧に妻・椿子の不倫の事を喋った」

「私達が、朝霧地獄送りのシナリオを書く前に … 実行してしまったのね」

「その通りだね、浮舟、
小夜子花が朝霧に妻の不倫話しをし、そこから全ての惨劇が始まった、そして見事に完結してしまったんだよ」

二人の推理は、このようにしてより納得性の高いものになって行ったのだった。


作品名:いまどき(現時)物語 作家名:鮎風 遊