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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第八回・弐】お祭り神社

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「開けなかった…って」
緊那羅が驚いた顔で言った
「そうだ」
迦楼羅が頷きながら答える
「【天】も【空】も…扉が開けられなかったんだよ」
矜羯羅が壁に寄りかかって言う
「どうして…」
緊那羅がが呟いた
「迦楼羅や矜羯羅…制多迦の力でもあけられなかったということは…それ以上の高等な人物が何らかの術か…方法で空間を切っていたということになります」
乾闥婆が言う
栄野家の開かずの間には悠助についていった慧喜以外の摩訶不思議服集団が集合していた

「…黒い…宝珠…」
緊那羅がぼそっと呟くと迦楼羅の目が見開いた
「緊那羅…今なんと…」
迦楼羅が緊那羅に聞く
「え…あ…慧喜が…黒い宝珠からアノ生き物が生まれたかもしれないって言ってたんだっちゃ」
緊那羅が答えた
「黒…」
矜羯羅も何処と無く驚いた顔をした
「…くらが知る中で最高位の…」
制多迦が呟く
「じゃぁやっぱり黒い宝珠ってあるんだっちゃ?」
緊那羅が聞くと乾闥婆が頷いた
「僕も実物は見たことはありませんが…赤、黒それともうひとつ金…これらは最高位の宝珠だと…」
乾闥婆が迦楼羅を見た
「…金色のもあるんだっちゃ?」
緊那羅が聞く
「正確には…あったということになるがな」
迦楼羅が言う
「今はもう無いんだよ…金の宝珠は」
矜羯羅が腕を組み直しながら言った
「迦楼羅と制多迦がつけている赤い宝珠…ソレと対を張る位の…黒い宝珠を易々と使えるヤツが…いるとしたら…」
矜羯羅の顔が険しくなる