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お下げ髪の少女 後半

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「おう。緒方か。お前今度、俺をゲストで呼んでくれない?バンマスのドラムの人、昔は第一線で活躍していたらしいな」
レストラン「青の洞窟」のハウスバンドと和正はセッションをしたいと云った。
 新人トランペッターはまだ大学のビッグバンドでは、ソロをとらせてもらえず、ストレスをためている様子だった。緒方は美緒の兄に云った。
「楽屋口へふらっと来ればいいんだよ。バンマスと話が合えばじゃあ一緒に、ということになると思うよ……ところで、妹さんと話をさせてくれないかな」
「美緒か、あいつ、このところお前のことばかり云って、うるさくてしょうがないよ。わかった。よろしく頼むな」
 少し間があって受話器から、美緒の可愛らしい声が聞こえてきた。
日曜日の午前十時と云ったのは美緒だった。忘れる筈はない。服を選ぶのに手間取っているのだろうか。
 緒方は美緒からの最新の手紙を持っていた。