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お下げ髪の少女 後半

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第11章 手をつないで



 午前十時二十五分過ぎ。日曜日のその駅の前には、濃い目の化粧をして、着飾った女性たちの姿が目立っていた。
 靴音や笑い声をメインとした喧騒が、雑踏の周囲で渦巻いている。更に車のエンジン音と、時折のクラクション。それに重なって、電車の走行音、鼻にかかった駅員のアナウンス。そのほか烏のとぼけたような声も聞こえ、また、右翼の宣伝カーが軍歌を大音量で流したりもしている。
 それらに対抗するように改札係りの駅員たちは、切符を切りながら、不必要な鋏の音をリズミカルに鳴り響かせている。
 何の変哲もない音たちが、遥かに遠い記憶となりそうで哀しい。
 緒方は美緒を信じていた。彼女が来ない筈がない。戦慄が心をよぎる。
 事故?まさか。
 しかし、不安ではある。午前十時という時刻は、美緒が指定したのだ。美緒の手紙に返事を出さなかったから、彼女は腹をたてているのだろうか。
電話での承諾は無効だというのか。
 緒方は昨日の朝の電話をまた思い出した。最初、電話に出た美緒の母は、長男の和正に用があるのだと思い込んで彼を呼びに行ってしまった。