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あの頃・・・それから

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▼あらすじ
私の体験談を少し脚色して書いてみました

高校生になった巧一は菜々と出会い恋をしたが、
菜々には重大な病気が発症してしまった......
巧一の恋の行方は・・・・・・・

この話の基本は実話です。
ただ、若かった自分が彼女を最期まで看取れなかった反省と、彼女のご家族の心の豊かさへの感謝を表したかったのです。


[あの頃・・・それから]

◎登場人物

 〔北村巧一15歳〕高校入学と同時に郊外の団地に越してきた。
 父の影響を受けて写真を趣味にする。将来はジャーナリストを目指している。

 〔水野菜々15歳〕団地の外れの商店街にある花屋「花・彩味(あやみ)」の娘。
 長い黒髪が魅力、マドンナ的存在。将来の目標は花屋さん

 〔水野祐介17歳〕菜々の兄。写真クラブ部長、花・彩未を継ぐ事に前向き。
 
 〔木村小夜17歳〕写真クラブ副部長。カメラマン志望、祐介に密かに思いを寄せるが
巧一にも興味あり。スポーティでシャープな美人

写真クラブ部員 
 吉村 弓16歳
 西川智弘16歳
 三村良史16歳 
 下林孝雄16歳 
 鈴木マリ16歳
 菊池隆治・クラスメイト
 田中猛・クラスメイト
 
 水野幸一42歳 祐介・菜々の父
 水野桂子41歳 幸一の妻
 
 北村 亮45歳 巧一の父 
 北村町子41歳 亮の妻
 謎の人妻・渡部恵美27歳
 
 山村先生 菜々の主治医 
 
 看護士A
 看護士B






「あの頃・・・それから」 



1・商店街
  
   街路樹の桜が満開の商店街
   一台の路線バス、通り過ぎる
 
2・××団地入り口・停留所
 
   巧一、降り立つ
   辺りを見回す
   思い出したようにジーンズのポケットからメモを取り出す
   一べつしてからバスの来た道を歩き出す
  
3・商店街 花・彩味の前

   巧一、一軒の花屋に差し掛かる
   店主幸一、花に水をまいている
   巧一、幸一に近づいて行き訊ねる
 巧一「あのー、すいません、この地図は解りますか?」
   幸一、優しそうな笑顔でメモを受け取り確認する。
 幸一「ああ、これはねー来過ぎたよ、バス停にして二つ手前だね
   君はこの辺初めてかい?」
 巧一「はい、親が先に越してきていて、僕は今日越してきたので・・」
 幸一「そうかじゃあここの高校へ入るんだね?」
 巧一「はいそうです」
 幸一「ウチの娘も今年は入るんだよ。同じクラスだといいねえ」
 巧一「はあ、はい」
 幸一、蛇口を閉めに行き店内に消える
   そして、すぐに車のキーを持って出てくる
 幸一「私が送っていこう」
   人の良さそうな笑顔で幸一が言う
 巧一「いやあ、そんなこと・・・」
   幸一、巧一の言葉を遮る
 幸一「いやいいんだ。ちょうどこの近くに花台を下げにいくんでね」
 巧一「(戸惑いの表情)は・はい」
 幸一「遠慮はいらないよ」
   幸一、さっさと店の横の駐車場に消える
   巧一、それに続く
 
4・軽トラの中
 
   幸一は笑顔で、巧一は無表情で乗っている
   幸一、突然車を歩道に寄せる
   そこへ、黒髪をなびかせて、輝くような笑顔の少女が走り寄る
   奈々15歳
   巧一、その笑顔に見とれる
 菜々「あれ、お父さん配達?」 
   幸一、巧一の方を向き話す
 幸一「これがさっき話した娘だよ」
   巧一、菜々に見とれている
 幸一「いや、花台を下げるついでにこの子を送って行くところだ
   えーと名前は何だっけ?」 
 巧一「北村巧一です」
   幸一と菜々顔を見合わせて噴出す。
 菜々「コウイチって。お父さんと同じだ」 
   菜々、無邪気に笑う 
 幸一「本当だなあ、これも何かの縁かなあ」
 巧一「そうですね(テレ笑い)」
 菜々「あたしは菜々です。ヨロシクね」
 幸一「コウイチ君も菜々と同じ高校に入るらしいよ」
 菜々「同じクラスだといいね?」
 巧一「そうだね。よろしく」
 菜々「どこの中学?」
 巧一「今日引っ越してきたばかり」
 菜々「で、何でお父さんが一緒なの?」
 幸一「迷って道を訊ねてきたから、送ってあげるところだよ」
 菜々「へえ、巧一君か?」
 幸一「乗って行くか?」
 菜々「やめておくわ、じゃあまたね?」
 巧一「そうだね」
 幸一「じゃあ行ってくる」
   菜々、愛らしい笑顔で二人を見送る
   幸一、車を出す
   巧一、菜々が小さくなるのを背中の小窓から横目で見送る
 幸一「カワイイ娘だろ?」
 巧一「はい」
 幸一「親バカ丸出しだな?」
   幸一の嬉しそうな笑い声

5・団地内
  
   軽トラ、のろのろと走っている
   フロントガラス越しに上を見上げている二人
   幸一、指を指すと車を加速させる
   巧一、ほっとした表情

6・3-9-2号棟の前

   軽トラから降り立つ巧一、幸一に丁寧に頭を下げると建物の中に消える

7・バス停=数日後=

   バスを待つ列
   真新しい制服の巧一が最後尾に並ぶ
   バスが停まる

8・バス内 

   バスはすし詰め
   巧一、何とか位置をキープする
   ふと、奥を見ると菜々が女友達3人と乗っている
   菜々、背中向きで巧一には気づかない
   次のバス停に停まる
   学生の一団が乗ってくる
   巧一、押されるままに奥へ進む
   気がつくと菜々の真後ろになってしまう
   しかし、声は掛けられない
   一人の女子高生と目が合う、巧一
   巧一をうさんくさそうな見る目に変わる
   巧一、目を逸らして視線を泳がす
   なんと、鞄が菜々のお尻を押している
   内心、冷や汗を覚える、巧一
 女子A「いやだー」
   こそこそと話している菜々たち
   さらに押されてしまう
   菜々の背中に密着しそうになる
   踏ん張ってこらえる巧一
   その時、菜々が振り返る
   満面の笑みで言う
 菜々「あら、巧一君。おはよう」
   その言葉に不思議そうに菜々をみる友人達
 巧一「おはよう、スッゴイ混みようだね?」
 菜々「ねえ、これが3年間続くのよ」
 巧一「そうだよなあ」
 菜々「この間すぐに判った?」
 巧一「ああ、お父さんのおかげで、本当に助かった」
   友人達、二人の顔を見比べている
   その時、バスの急ブレーキ
   巧一の胸元に菜々の体が飛び込んでくる
 菜々「?ごめん」
 巧一「い、いや、いいよ」
 菜々「痛くなかった?」
 巧一「いや、その逆・・」
   そう言った瞬間、また急ブレーキが掛かる
   再度、菜々が飛び込んでくる
 菜々「ウフフッ、まただわ。そうだ!何組だったの?
   巧一君は、あたしはCよ」
   楽しそうに笑う、菜々
 巧一「俺はD組だよ。隣だね?」
 菜々「近いじゃん」 
 巧一「うん」

9・公立高校前 =停留所=
  
   大勢の高校生が通り過ぎていく
   バス、停まる
   次々に降り立つ高校生
   巧一の後から菜々たちが降りてくる
   巧一と菜々を囲むように一団が歩いて行く
作品名:あの頃・・・それから 作家名:Riki 相馬