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むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編2

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 そしてそんなちぐはぐ娘のことをクラスメイト達が好むわけもない。建前を悪と言うものも存在するが、そういう人間に限って事実しか言わない人間のことを嫌うのだ。一方、丸山花世のほうは自分がつまはじきにされたとしてもそれほど気にしない。
 ヤクザな娘は知っているのだ。
 ――付き合うに値しない人間って……いるだろ?
 そういう人間だから、いつでも一人。いつでも浮いている……もっとも一人だからといって孤独というわけではない。

 「……なんだ、メールか……誰だ」
 図書室でうつらうつらしていた小娘は飛び起きた。携帯のベルが一瞬だけ鳴り、すぐに沈黙する。どうやらメールの着信があったようである。窓の外。アブラゼミの鳴き声が遠く聞こえる。
 そろそろ休み前の試験の季節。クラスメイト達のなかには昼休みも勉学にいそしむものがちらほらと見受けられるが、当然、ゴロツキ娘は殊勝ではない。
 「……腹減ったな」
 午前の授業はすでに終わっている。
 「化学とか……そんなのいらねーよな。そんなもんなんの役に立つって言うんだよ……」
 あまりにも退屈な授業にヤクザ娘は『腹が痛い』と幼稚園児のような嘘をつき、そこで教室を抜け出して来たのだ。そしてそのまま図書室で居眠り。
 「あー……誰だよいったい……」
 昨日はアネキ分に付き合って品川のブランセーバーへ。その後、丸山花世は自宅に戻って資料などを調べ、深夜になってから自宅すぐ近くの大井弘子のマンションに行って、タイニー・エターのキャラなどについてああでもないこうでもないと話し合い。結局家には戻らず姉の家に一泊。そして、姉妹の出したとりあえずの結論は、
 ――相当、厳しい仕事になる。 
 不遜な小娘は携帯をチェックする。
 「……なんだ、オカジーか……」
 四次元美少女の編集者岡島からのメールである。。
 ――再増刷。
 それは、以前丸山花世が携わったエロラノベの増刷を知らせるもの。
 「そっか……たっつんの作品、増刷かかんのか……」
 春先に出たエロラノベ。まだ出してから半年もたっていないが二度目の増刷がなった。
 「……これでたっつんの墓にまた立派な花を飾ることができるよな」
 仲間が草葉の陰で喜んでいる。そうであって欲しい。丸山花世はそのように思い、そして携帯を机の上におく。