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神社奇譚 1-2 古井戸

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翌月の月次祭に、再び春彦さんが神社にやってきた。
「宮司さんいるかい?お願いがあってさぁ・・」
受付の窓口にいた私の顔を見ると、春彦さんは私の顔を見るなり
「まったく大変だぜ。変なことになっちまったな・・」
どうしたよ、あれから・・。
「それがよ・・よりオンナの身体みたいになっちまってよ」
あん?
「なんか変だぜ、アレよ。あんまり変なことはいえないけどさ・・」
わからないよ、ナニ云ってるか。
「いいんだよ!だがな、アレはなんかへんだな。
あぁ・・。あんまり気持ち悪いからよ、
女房も御焚き上げするって方向で・・とにかくよう、早めに頼むぜ。」

 ということで宮司に話すと、月次祭を終えると物見高い役員達も
揃いも揃って春彦さんの家の庭先まで、皆で見に行くと。
日に焼け乾燥した感じはあるものの、なにか腋毛とか陰毛が生えたように
細かい根が伸びてきていたその根っこは。
まさに成長しているようで、春彦さんの言葉を借りて表現するしかない。
まさに、「オンナの身体みたいになっちまっ」た。
作品名:神社奇譚 1-2 古井戸 作家名:平岩隆